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【神奈川県】特色検査とは?3つの種類と実施校・配点をわかりやすく解説

神奈川県の特色検査。実技検査、自己表現検査、面接の3種類を示す文字中心のアイキャッチ。

三者面談で「この高校は特色検査があります」と言われて、初めてその名前を知る家庭は多いはずです。調べると「5教科横断」「難問」といった言葉が並び、上位校だけの特別な試験のように見えます。

実際には、特色検査は上位校だけのものではありません。神奈川県の制度としては3つの種類があり、学力検査を行わない高校でも特色検査が共通の検査として実施されています。この記事では、特色検査とは何か、自分の志望校にあるかどうかの調べ方、合否の計算にどう加わるのかを、神奈川県教育委員会の資料にもとづいて整理しました。

特色検査とは

特色検査とは、学力検査だけでは測りにくい力を見るために、高校が独自に実施する検査です。神奈川県では実技検査・自己表現検査・面接の3種類があり、実施するかどうかは高校ごとに決まっています。

全日制の学力検査は国語・社会・数学・理科・外国語(英語)の5教科が原則ですが、特色検査を実施する高校では3教科まで教科数を減らす場合があります。

【参考:https://www.pref.kanagawa.jp/docs/dc4/nyusen/nyusen/nyusenseidogaiyou.html /「特色検査」は、実技検査、自】

「特色検査を実施するのは18校」は正確ではありません

特色検査について調べると「神奈川県での実施校は18校」という説明をよく見かけます。この18校というのは、学力向上進学重点校とエントリー校で、共通問題と共通選択問題による自己表現検査を行う学校の数です。

特色検査には実技検査と面接も含まれるため、美術科や音楽科で実技検査を行う高校も、面接を行う高校も、特色検査の実施校にあたります。「18校以外に特色検査はない」と考えると、志望校の確認を取りこぼす可能性があります。

自分の志望校に特色検査があるかどうかは、県教育委員会が毎年6月に公表する「選考基準及び特色検査の概要」で確認するのが確実です。

神奈川県公立高校入試の全体像については、神奈川県公立高校入試の仕組み【2027年度】でまとめています。

特色検査の3つの種類

特色検査は実技検査、自己表現検査、面接の3種類。実施の有無や組合せは学校と学科によって異なる。
種類内容主な実施校
実技検査美術・音楽・体育などの実技美術科・音楽科・スポーツ系学科などを置く高校
自己表現検査与えられた資料をもとに、考えを記述・表現する学力向上進学重点校およびエントリー校など
面接入学希望の理由などを問うクリエイティブスクールなど

複数の特色検査を組み合わせて実施する高校もあります。

【参考:https://www.pref.kanagawa.jp/docs/dc4/prs/r4485161.html /「特色検査」は、実技検査、自】

自己表現検査

上位校の入試で話題になる「特色検査」は、ほとんどがこの自己表現検査を指しています。5教科の知識を前提に、資料の読み取りと記述を求める形式です。

実技検査

美術科の実技、音楽科の演奏、スポーツ系学科の運動能力検査などが該当します。学科の特性に直結した検査で、自己表現検査とは対策の内容がまったく異なります。

面接

入学希望の理由を共通の観点とし、各高校が独自の観点を設定します。学力検査を行わない高校では、この面接が共通の検査として実施されます。

自分の志望校に特色検査があるかを調べる

調べ方

県の選考基準及び特色検査の概要で、年度と課程、学校と学科、検査の種類、係数と提出書類を順に確認する。

神奈川県教育委員会が例年6月に公表する「選考基準及び特色検査の概要」に、高校ごとの特色検査の種類と係数が掲載されています。中学3年生の夏には翌年度分が確認できます。

ページ内の「特色検査の概要」のPDFを開き、志望校の行を見てください。種類が書かれていなければ、その高校は特色検査を実施しません。

学力向上進学重点校とエントリー校

令和9年度の入学者選抜では、すべての学力向上進学重点校とすべてのエントリー校の県立高校で、共通問題と共通選択問題を使って特色検査が実施されます。

区分学校名
学力向上進学重点校(8校)横浜翠嵐、川和、柏陽、横浜緑ケ丘、多摩、湘南、厚木、小田原
エントリー校(10校)希望ケ丘、横浜平沼、光陵、横浜国際、横須賀、鎌倉、茅ケ崎北陵、平塚江南、大和、相模原

※県立横浜国際高等学校 国際科 国際バカロレアコースは対象外です。

【参考:https://www.pref.kanagawa.jp/documents/63368/06_tokushoku.pdf /令和9年度神奈川県公立高等学校】

湘南高校については湘南高校の偏差値・入試情報、川和高校については川和高校の偏差値・入試情報にまとめています。

共通問題と共通選択問題

共通化した自己表現検査では、共通問題と学校が選ぶ共通選択問題を用いる。共通選択問題を選ぶのは受検者ではなく学校。

この18校の自己表現検査は、2種類の問題で構成されます。

  • 共通問題……18校すべてで同じ問題が出題される
  • 共通選択問題……用意された複数の問題から、各高校が選んで出題する

同じ日に同じ解答用紙を使いながら、学校ごとに出題内容を変えられる仕組みです。志望校がどの問題を選ぶかは事前には公表されないため、共通選択問題は出題される可能性のある範囲を広く見ておく必要があります。

なお、令和8年度の入学者選抜から、この18校の共通化した特色検査ではマークシート方式の解答用紙が使われています。

特色検査は何点分に相当するのか

特色検査を実施する高校では、合否の計算式に特色検査の結果が加わります。

計算式

一般的な第1次選考ではS1=a×f+b×g+d×i。a、b、dはそれぞれ評定、学力検査、特色検査の100点換算値で、係数は学校ごとに確認する。

特色検査を実施しない高校の第1次選考は、次の式で計算されます。

S1 = (a) × f + (b) × g

((a)=調査書の評定を100点満点に換算した数値、(b)=学力検査を100点満点に換算した数値、f+g=10)

特色検査を実施する場合は、ここに1項が加わります。

S1 = (a) × f + (b) × g + (d) × i

((d)=特色検査の観点ごとの得点合計を100点満点に換算した数値、iは1以上5以下の整数)

f と g は合計が10になるよう配分されますが、i はそれとは別枠で1〜5の範囲で上乗せされます。第2次選考も同じ形で (d)×i′ が加わります。

【参考:https://www.pref.kanagawa.jp/docs/dc4/nyusen/nyusen/nyusenseidogaiyou.html /特色検査を実施した場合は、S】

係数によって重みが大きく変わります

特色検査の100点換算値が60点の場合、係数1では60、係数2では120、係数3では180が選考の数値に加わる計算例。

i が1の高校と5の高校では、特色検査の重みが5倍違います。内申と学力検査の合計が同じでも、特色検査の出来で順位が入れ替わることがあります。

比率 f:g = 3:7 の高校で、2人の受検者を比べてみます。

  • 生徒A:内申(a)=85.0、学力検査(b)=75.0、特色検査(d)=50.0
  • 生徒B:内申(a)=78.0、学力検査(b)=72.0、特色検査(d)=85.0
特色検査の係数 i生徒AのS1生徒BのS1上位
(特色検査なしと仮定)780738生徒A
i = 1830823生徒A
i = 2880908生徒B
i = 3930993生徒B
i = 51,0301,163生徒B

内申と学力検査で42点分リードしていた生徒Aが、i が2以上の高校では生徒Bに抜かれます。特色検査の準備をどれだけ見積もるかは、志望校の係数を確認してから決めることになります。

志望校の係数はどこで見るか

f、g、i の値は、すべて「選考基準及び特色検査の概要」で高校ごとに公表されています。内申点そのものの計算方法については神奈川県の内申点の計算方法で解説しています。

クリエイティブスクールの特色検査は面接

特色検査は上位校の難問だけを指す言葉ではありません。神奈川県には、学力検査を行わず、特色検査(面接)を共通の検査として実施する県立高校があります。

学力検査を行わない5校

クリエイティブスクールと呼ばれる次の5校です。

学校学科
県立釜利谷高校全日制普通科
県立横須賀南高校全日制普通科
県立小田原北高校全日制普通科
県立大和東高校全日制普通科
県立青葉総合高校全日制総合学科

選考は、実施したすべての検査と、調査書の観点別学習状況を資料として総合的に行われます。評定ではなく観点別学習状況(A・B・C)を使う点が、他の高校と大きく違います。

県はクリエイティブスクールを「一人ひとりが持っている力を必ずしも十分に発揮できなかった生徒に対して、これまで以上に学習意欲を高める取組みを行う学校」と説明しています。

【参考:https://www.pref.kanagawa.jp/docs/dc4/tokushoku/hsw/keyword.html /一人ひとりが持っている力を必ず】

なお、県立横浜明朋高校と県立相模向陽館高校はフロンティアスクール(多部制定時制)として、同じく調査書の観点別学習状況を資料に総合的に選考します。

面接は令和6年度から全校一律ではなくなりました

かつては全日制・定時制の共通選抜で、すべての高校が共通の検査として面接を実施していました。神奈川県教育委員会は令和4年4月に策定した「入学者選抜制度改善方針」にもとづき、令和6年度入学者選抜から共通の検査を学力検査のみとし、面接を特色検査に位置づけ直しました。

そのため現在は、クリエイティブスクールのように面接を共通の検査として行う高校と、各校のアドミッション・ポリシーに照らして必要と判断した場合に特色検査として面接を行う高校に分かれています。「神奈川の公立入試には必ず面接がある」という説明は、現在の制度には当てはまりません。

特色検査の対策

実技は課題と用具と実施方法、自己表現は形式、面接は志望理由と経験を確認し、志望校の検査に合わせて準備する。

まず過去の問題を見る

対策の第一歩は、実際の問題を見ることです。神奈川県教育委員会は「共通選抜における学力検査問題」のページで過去の問題を公開しています。自己表現検査は文章量が多く、設問の形式も学校の定期テストとは異なるため、文字で説明を読むより一度解いてみるほうが早く実感がつかめます。

塾が公開している年度別の出題分析もあり、たとえば臨海セミナーの特色検査の分析では設問ごとの傾向が整理されています。

共通問題と共通選択問題を切り分ける

共通問題は18校すべてで同じものが出題されるため、過去の共通問題は志望校を問わず取り組む価値があります。共通選択問題は学校によって出題が変わるので、志望校が過去にどの問題を選んだかを確認したうえで範囲を決めると、準備の効率が上がります。

時間配分を決めておく

自己表現検査は資料の分量が多く、読み切る前に時間が足りなくなるという声がよく聞かれます。過去問を解くときは、最初から本番と同じ時間で区切り、1問あたりに使える時間を決めてから取り組むと、当日の判断がしやすくなります。

何年生から始めるか

開始時期に決まった正解はありません。判断の材料になるのは、志望校の係数 i と、5教科の学力検査でどれだけ取れているかの2つです。i が大きい高校ほど特色検査の比重が高く、準備に時間を割く意味が大きくなります。

一方で、自己表現検査は5教科の知識を前提にした出題です。特色検査だけを切り離して対策するより、まず5教科の学力検査で安定して得点できる状態をつくるほうが、結果として特色検査にも効いてきます。

よくある質問

特色検査は神奈川だけの制度ですか?

「特色検査」という名称で、実技検査・自己表現検査・面接の3種類を定めているのは神奈川県公立高校入試の仕組みです。他の都道府県にも学力検査以外の検査を課す制度はありますが、名称も内容も異なります。

神奈川で特色検査がない高校はどこですか?

高校ごとに実施の有無が決まっているため、一律の答えはありません。県教育委員会が公表する「選考基準及び特色検査の概要」に種類が記載されていない高校は、特色検査を実施しません。志望校の行を直接確認してください。

神奈川県の特色検査は難しいですか?

自己表現検査は資料の分量が多く、5教科の知識を横断して使う形式です。学校の定期テストとは出題の仕方が違うため、初めて見ると戸惑う受検者が多いのは事実です。ただし高校によって実施する検査の種類も係数も違うため、「特色検査は難しい」とひとくくりにはできません。

特色検査の配点は何点ですか?

特色検査の得点は100点満点に換算されたうえで、1以上5以下の整数の係数を掛けてS1に加えられます。係数は高校ごとに定められており、1の高校と5の高校では重みが5倍違います。

特色検査があると学力検査は5教科ではなくなりますか?

全日制の学力検査は5教科が原則ですが、特色検査を実施する高校では3教科まで教科数を減らす場合があります。実際に何教科になるかは高校ごとに異なります。

特色検査の対策はいつから始めればよいですか?

開始時期は県が定めているものではありません。志望校の係数と、5教科の学力検査での得点状況を見て判断することになります。自己表現検査は5教科の知識を前提とする出題のため、5教科が安定していない段階で特色検査だけに時間を割くのは効率が良くありません。

まとめ

神奈川県の特色検査には実技検査・自己表現検査・面接の3種類があり、実施するかどうかは高校ごとに決まっています。よく言われる「18校」は、重点校とエントリー校で共通問題・共通選択問題による自己表現検査を行う学校の数です。

志望校を決める前に確認したいのは2点です。特色検査を実施するかどうかと、実施する場合の係数 i がいくつか。どちらも県教育委員会の「選考基準及び特色検査の概要」に載っています。

参考にした資料(すべて2026年9月27日閲覧)

  • 神奈川県教育委員会「公立高校入学者選抜制度の概要」 https://www.pref.kanagawa.jp/docs/dc4/nyusen/nyusen/nyusenseidogaiyou.html
  • 神奈川県教育委員会「令和9年度 選考基準及び特色検査の概要」 https://www.pref.kanagawa.jp/docs/dc4/nyusen/nyusen/senko_kijun.html
  • 神奈川県教育委員会「令和9年度 特色検査の概要」 https://www.pref.kanagawa.jp/documents/63368/06_tokushoku.pdf
  • 神奈川県教育委員会「令和9年度神奈川県公立高等学校入学者選抜の選考基準等について」 https://www.pref.kanagawa.jp/docs/dc4/prs/r4485161.html
  • 神奈川県教育委員会「学力向上進学重点校およびエントリー校におけるマークシート方式による特色検査の実施について」 https://www.pref.kanagawa.jp/docs/dc4/nyusen/nyusen/tokusyoku-marksheet.html
  • 神奈川県教育委員会「新しい学びのかたちから高校をさがす」 https://www.pref.kanagawa.jp/docs/dc4/tokushoku/hsw/keyword.html
  • 神奈川県教育委員会「神奈川県公立高等学校入学者選抜制度改善方針」 https://www.pref.kanagawa.jp/documents/24739/kaizenhousin.pdf
  • 神奈川県教育委員会「令和9年度 選考の方法と選考基準の見方」 https://www.pref.kanagawa.jp/documents/63368/00_mikata.pdf
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この記事を書いた人

ハマジュク編集部は、塾講師や家庭教師として県内のトップ校に進学させる実績や、偏差値を30以上上げて志望校へ合格させた経験を持つメンバーで構成されております。全国トップ20(県内トップ3)の学校に進学した人や、中学受験を経験した人も在籍。受験や講師としての経験も踏まえて、横浜エリアを中心に高校受験に役立つ情報を発信しています。
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