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【神奈川県】私立高校入試の仕組み|書類選考・専願・併願・オープンの違い

神奈川県の私立高校入試。書類選考・専願・併願・オープンの違いを解説。

公立の志望校はおおよそ決まったけれど、併願する私立をどう選べばよいか分からない。神奈川の私立高校入試を調べ始めると、「書類選考」「オープン」「専願」「併願」といった言葉が並び、どれが自分の子に当てはまるのか判断しづらくなります。

このうち書類選考は、学力試験を行わずに合否が決まる方式です。内申基準を満たしているかどうかが実質的な条件になるため、公立の受験準備とは考え方が変わります。

この記事では、神奈川県と県私立中学高等学校協会、各私立高校の公式資料をもとに、受験区分の違い、内申基準の見方、倍率の読み方を整理しました。

神奈川の私立高校入試の受験区分

私立高校入試の用語を、入試方式、選考方法、志望条件の3つの視点に分けて整理する。

神奈川県私立中学高等学校協会が公表している令和8年度の高校生徒募集要項には、「推薦」「一般」「書類選考」「オープン」「専願」「併願」といった区分が使われています。おおまかには次の4つに分かれます。

区分学力試験他校との併願内申基準
推薦(専願)学校によるできない(第1志望が前提)あり
一般(専願・併願)あり区分によるあり
書類選考なし学校によるあり
オープンありできる課されない場合がある

推薦は第1志望が前提

推薦入試は、その学校を第1志望とすることが出願の条件になります。桐蔭学園高等学校の2026年度の推薦入試では「本校を第1志望」とし、「他の国公立高校や私立高校を併願することはできません」と明記されています。横須賀学院高等学校も2026年度の推薦入試を専願とし、在籍中学校長の推薦を受けた者を対象としています。

一般には専願と併願があります

一般入試には、専願(その学校を第1志望とする)と併願(他校との併願を認める)の両方が設定されている学校があります。山手学院高等学校の2027年度「併願入試」(A日程・B日程)は「すべての国公立高校、私立高校併願可」としており、出願資格を「本校が定めた一定の学力基準に適合した者」としています。

書類選考とオープンは対照的です

書類選考は学力試験がなく、内申基準を満たしていることが前提になります。逆にオープン入試は内申基準を課さず、当日の学力試験で合否が決まる形です。

桐蔭学園の2026年度では、一般入試A方式(オープン)の出願資格が「2026年3月卒業見込または2025年3月に卒業した者」のみで、内申基準の記載がありません。同じ学校の中に、内申で決まる入試と当日点で決まる入試が並んでいるということです。

※「単願推薦」「併願推薦」「併願確約」という言葉を見かけることがありますが、協会の資料と確認した各校の募集要項にこれらの表記はありませんでした。神奈川では「推薦=専願」「一般=専願/併願」という書き方が使われています。

書類選考とは

書類選考では評定の基準、出願資格、必要な提出物、締切を確認する。

学力試験がありません

書類選考は、学力試験を行わず、出願書類と内申基準で合否を決める方式です。

  • 桐蔭学園高等学校(2026年度)の一般入試B方式(書類選考)は、学力試験の記載がなく「課題作文の提出が必須」とされています
  • 横浜高等学校(令和9年度)の一般入試A方式(書類選考・専願/併願)は、試験日が「なし」と明記されています

出願は1月下旬、合格発表は2月上旬という流れが一般的です。桐蔭学園の一般B方式は出願が1月24日10:00〜1月31日16:00、合格発表が2月10日10:00〜となっています。

内申基準が実質的な条件になります

学力試験がないということは、内申基準を満たしているかどうかが合否をほぼ決めるということです。当日の試験で挽回する余地がない代わりに、基準を満たしていれば見通しが立てやすい方式でもあります。

併願先として書類選考を使う場合、中学3年生の2学期の評定が確定した段階で、出願できる学校がおおよそ決まります。志望校の候補は、2学期の成績が出る前から基準を確認しておくと動きやすくなります。

内申基準の見方

私立高校の内申基準は学校とコース、5教科・9教科の条件、その他の出願条件の順に確認する。

5教科と9教科の併記型

神奈川の私立高校の内申基準は、「5教科◯以上 または 9教科◯以上」という併記型で示されることがあります。どちらか一方を満たせばよい形です。

桐蔭学園高等学校の2026年度の例です。

区分コース基準
推薦入試プログレス5教科24以上 または 9教科42以上
推薦入試アドバンス5教科21以上 または 9教科38以上
推薦入試スタンダード5教科20以上 または 9教科36以上
一般B方式(書類選考)プログレス5教科25以上 または 9教科44以上
一般B方式(書類選考)アドバンス5教科22以上 または 9教科40以上
一般B方式(書類選考)スタンダード5教科21以上 または 9教科38以上

【参考:https://toin.ac.jp/high/wp-content/uploads/sites/69/2025/08/2026_high_boshu_ippan.pdf /5教科24以上または9教科42】

主要5教科が強いタイプと、9教科まんべんなく取れているタイプで、届く基準が変わります。両方の合計を出しておくと、どの学校のどのコースが射程に入るかを判断しやすくなります。

コースによって基準が違います

上の表のとおり、同じ学校でもコースごとに基準が設定されています。さらに、推薦より一般(書類選考)のほうが基準が高く設定されていることもあります。桐蔭学園の例では、各コースで推薦より一般B方式のほうが1〜2点高い基準です。

内申点以外の条件もあります

見落とされやすいのが、内申点以外の出願条件です。桐蔭学園の2026年度の要項には、次の条件が併記されています。

中学1年より中学3年11月末までの欠席日数25日以内

第3学年の5段階評定で9教科に「1」がないこと

内申の合計が基準に届いていても、これらの条件を満たさなければ出願できません。募集要項は基準の数字だけでなく、周辺の条件まで読む必要があります。

なお、神奈川県公立高校入試の調査書には出欠の記録欄がありませんが、私立はこのように独自の条件を設けている場合があります。公立と私立で扱いが違う点です。

内申点そのものの計算方法は神奈川県の内申点の計算方法で解説しています。

どこで調べるか

内申基準は学校ごと、コースごと、そして年度ごとに変わります。調べ先は次のとおりです。

  • 各私立高校の公式サイトの募集要項(最も確実な一次情報)
  • 神奈川県私立中学高等学校協会が毎年秋に公表する高校生徒募集要項(県内の学校を横並びで見られます)
  • 学校説明会・個別相談会(志望校が決まっている場合はここで直接確認できます)
  • 通っている中学校の担任・進路担当の先生

塾でも学校別の情報を持っていることが多く、臨海セミナーのように県内の教室を一覧から探せるところもあります。

私立の倍率は公立と読み方が違います

私立では複数校に出願できる区分があり、公立共通選抜は1つの課程・学科等に限るため、倍率の単純比較を避ける。

私立の4.79倍と公立の1.11倍は、同じ読み方をする数字ではありません。

令和8年度の実績

神奈川県の発表によると、令和8年度の私立高等学校の志願状況(公募一般・第1回目、令和8年2月3日15時現在)は次のとおりです。

課程学校数志願者数志願倍率
全日制57校45,375人4.79倍
通信制4校370人0.76倍

この集計は一般入試のみを対象としており、推薦入試は含まれていません。

延べ数であることの意味

私立高校は、1人の受験生が複数の学校に出願できます。そのため志願者数は延べ数になり、同じ生徒が何校分もカウントされます。

一方、神奈川県公立高校の共通選抜は、1つの課程・学科・コース等に限って志願する仕組みです。令和8年度の全日制は募集人員39,431人に対し志願者43,852人で、平均競争率は1.11倍でした。

算定の前提が違うため、4.79倍と1.11倍を並べて「私立のほうが約4倍厳しい」と読むのは誤りです。私立の倍率は、その学校の人気や併願先としての選ばれ方を見る数字として扱うほうが実態に合います。

公立の倍率の見方については神奈川県公立高校入試の仕組み【2027年度】でまとめています。

入試日程の大枠

私立併願校を選ぶ際は学校情報と条件を確認し、出願・試験、結果と入学手続の期限まで整理する。

確認できた範囲での日程です。

区分時期
推薦入試1月下旬(桐蔭学園 2026年度は1月23日、横須賀学院は1月22日)
書類選考出願1月下旬、合格発表2月上旬
一般入試(筆記)2月10日が初日
公立の学力検査2月16日(令和9年度)

私立の結果が出てから公立の学力検査を受ける流れになります。併願校を決める段階で、この順番を前提にスケジュールを組むことになります。

神奈川県私立中学高等学校協会が令和8年度の高校生徒募集要項を公表したのは2025年10月23日でした。令和9年度版は2026年9月27日時点ではまだ掲載されていません。

私立の二次募集

共通選抜で進学先が決まらなかった場合、私立にも二次募集があります。

令和8年度は全日制27校・通信制3校が実施しました。全日制の試験日は2月20日から3月6日に分散し、3月4日が最も多く20校でした。公立の合格発表(令和8年度は2月27日)の後にも受験の機会があるということです。

進学先の選択肢全体については【神奈川県】不登校からの高校受験|長期欠席の申請と進学先の選択肢でも、定時制・通信制を含めて整理しています。

学費と支援制度【令和8年度から変わりました】

学費支援を調べるときは制度名、対象条件、対象となる費用、申請方法と時期を確認する。

私立の学費については、令和8年度に大きな制度変更がありました。

国の就学支援金は所得制限が撤廃されました

文部科学省の資料によると、令和8年度から高等学校等就学支援金は「支給に当たって保護者等の収入の状況を問わないこと」とされ、所得制限が撤廃されました。

支給上限額(年額)は次のとおりです。

課程上限額(年額)
私立 全日制457,200円
私立 通信制337,200円
公立 全日制118,800円

令和7年度までは、私立高校への支給額は年収590万円未満の世帯で396,000円、それ以上で118,800円という区分でした。

神奈川県の補助と合わせた上限

神奈川県は、国の就学支援金に加えて「私立高等学校等生徒学費補助金」を設けています。県の案内では、授業料は所得制限なく最大480,000円まで、入学金は生活保護世帯・住民税非課税世帯について最大212,000円まで支援するとされています。

対象は「対象校に在学する生徒で、生徒・保護者等ともに神奈川県内に住所を有する者」です。申請は在学する学校を通じて行い、例年6月に学校から案内があります。

このほか、神奈川県高校生等奨学給付金もあります。対象は「保護者等全員の県民税・市町村民税所得割額の合計額が182,500円未満の世帯または生活保護(生業扶助)を受けている世帯」で、令和8年度の申請期間は通常給付が7月1日〜11月13日です。

よくある質問

神奈川の私立高校の「書類選考」とは何ですか?

学力試験を行わず、出願書類と内申基準で合否を決める方式です。学校によっては課題作文の提出を求める場合があります。内申基準を満たしているかどうかが実質的な条件になります。

専願と併願はどう違いますか?

専願はその学校を第1志望とし、他校との併願を認めない方式です。併願は他の国公立・私立高校との併願ができます。推薦入試は専願が前提で、一般入試には専願と併願の両方が設定されている学校があります。

オープン入試には内申基準がありませんか?

学校によります。桐蔭学園高等学校の2026年度の一般入試A方式(オープン)では、出願資格が卒業見込みまたは卒業者であることのみで、内申基準の記載がありません。ただしすべての学校がそうとは限らないため、志望校の募集要項で確認してください。

神奈川の私立高校の倍率が4.79倍というのは厳しいということですか?

公立の倍率と同じ読み方はできません。私立は1人が複数校に出願できるため、志願者数が延べ数になります。公立の共通選抜は1つの課程・学科に限って志願するため、令和8年度の全日制は1.11倍でした。前提が違う数字を直接比べることはできません。

内申が足りない場合はどうすればよいですか?

内申基準を課さない入試(オープン入試など)を実施している学校があります。また、内申基準は学校ごと・コースごとに違い、5教科と9教科のどちらかを満たせばよい併記型の場合もあります。5教科と9教科の両方の合計を出したうえで、候補を広げて確認してみてください。

私立高校の学費はいくらかかりますか?

学校によって異なります。支援制度としては、令和8年度から国の就学支援金の所得制限が撤廃され、私立全日制は年額457,200円が上限になりました。神奈川県の補助と合わせると、授業料は最大480,000円までが支援の対象です。実際の負担額は学校の設定する授業料と世帯の状況によって変わります。

まとめ

神奈川の私立高校入試は、推薦(専願)、一般(専願・併願)、書類選考、オープンの4つに大きく分かれます。このうち書類選考は学力試験がなく、内申基準を満たしているかどうかで決まります。

併願校を検討する段階でまず確認したいのは、5教科と9教科それぞれの合計です。内申基準は併記型で示されることが多く、どちらか一方を満たせば出願できます。あわせて、欠席日数や「1」の有無といった内申点以外の条件も募集要項で確認してください。

参考にした資料(すべて2026年9月27日閲覧)

  • 神奈川県私立中学高等学校協会 https://phsk.or.jp/
  • 神奈川県私立中学高等学校協会「入試・転編入情報」 https://phsk.or.jp/examination/
  • 神奈川県私立中学高等学校協会「令和8年度 私立高等学校生徒募集要項」 https://phsk.or.jp/wp-content/uploads/2025/10/r8-exam-h.pdf
  • 神奈川県私立中学高等学校協会「学費支援」 https://phsk.or.jp/support/
  • 神奈川県「令和8年度私立高等学校の志願状況(公募一般)」 https://www.pref.kanagawa.jp/docs/v3e/prs/r5106682.html
  • 神奈川県「令和8年度私立高等学校生徒2次募集」 https://www.pref.kanagawa.jp/docs/v3e/prs/r0026880.html
  • 神奈川県「私立学校学費支援制度のご紹介」 https://www.pref.kanagawa.jp/docs/v3e/jyosei/gakuhisien/index.html
  • 神奈川県「学費補助金について」 https://www.pref.kanagawa.jp/docs/v3e/jyosei/gakuhisien/gakuhihojyo.html
  • 神奈川県「高校生等奨学給付金」 https://www.pref.kanagawa.jp/docs/v3e/jyosei/gakuhisien/syougakukyuuhukinn.html
  • 文部科学省「令和8年度 高等学校等就学支援金制度等に関する都道府県担当者等説明会資料」 https://www.mext.go.jp/a_menu/shotou/mushouka/202604013-mxt_shuukyo03-1342601_2.pdf
  • 桐蔭学園高等学校「2026年度 一般入試募集要項」 https://toin.ac.jp/high/wp-content/uploads/sites/69/2025/08/2026_high_boshu_ippan.pdf
  • 横浜高等学校「入試日程」 https://www.yokohama-jsh.ac.jp/sche/yoko/
  • 横須賀学院高等学校「2026年度 募集要項」 https://hs.yokosukagakuin.ac.jp/wp-content/uploads/2025/10/2026bosyuyukou.pdf
  • 山手学院高等学校「募集要項」 https://www.yamate-gakuin.ac.jp/shared/pdf/bosyuu_h.pdf
  • 神奈川県教育委員会「令和8年度入学者選抜 志願者数等について」 https://www.pref.kanagawa.jp/docs/dc4/nyusen/jisshikekka/r8shigansyasu.html
  • 神奈川県教育委員会「令和9年度神奈川県公立高等学校の入学者の募集及び選抜の主な日程等について」 https://www.pref.kanagawa.jp/docs/dc4/nyusen/nyusen/r9/r9nyusen-nittei.html
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この記事を書いた人

ハマジュク編集部は、塾講師や家庭教師として県内のトップ校に進学させる実績や、偏差値を30以上上げて志望校へ合格させた経験を持つメンバーで構成されております。全国トップ20(県内トップ3)の学校に進学した人や、中学受験を経験した人も在籍。受験や講師としての経験も踏まえて、横浜エリアを中心に高校受験に役立つ情報を発信しています。
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