大学受験は独学だときつい?塾や予備校との比較やメリットやデメリットを紹介
独学で大学受験を考えている人は成績を伸ばすために塾や予備校に通うかどうか迷いますよね。
本記事では、大学受験について独学・塾・予備校との比較やメリットやデメリットを紹介します。
大学受験向け学習塾・予備校の選び方については「【高校生向け】大学受験のための学習塾・予備校おすすめ10選!」をご参照ください。
大学受験を独学で合格することはできる?
大学受験が近づくにつれ、周りに塾や予備校に通う人が増えてきます。
受験を控えた高校生の中には「塾に通わず独学で合格したい」と考えている人もいるのではないでしょうか。
大学受験を目指している高校生が塾に通っている割合や、志望校合格に向けてどのくらい勉強時間が必要なのかを見ていきましょう。
高校生で塾・予備校に通っている割合は約3割
文部科学省が実施した「令和3年度子供の学習費調査」によると、高校生で塾や予備校に通う生徒の割合は全体の約3割程度です。
通塾している生徒の割合は、私立高校に通う生徒が約38%、公立高校に通う生徒が約33%です。私立高校に通う生徒の通塾率のほうが若干高い傾向でした。
全体の3割程度の通塾率は少ないと思われがちですが、文部科学省の「平成30年度 学校基本調査」によると、高校卒業後大学に進学する生徒の割合は約54%です。
高校生の約半数は卒業後大学への進学を希望しないため、生徒の総数で見たときの通塾率はどうしても低めの数値になります。
大学受験合格に必要な勉強時間は?
ベネッセ総合研究所の「大学生が振り返る大学受験調査」によると、高校生が大学受験に本格的に取り組む時期の、1日当たりの平均勉強時間は約4.8時間でした。
高校1年生時点での平均勉強時間は、1日約1時間程度と決して多くはありません。
しかし高校3年生になると、受験を見据えた本格的な勉強に取り組む生徒が増えるため勉強時間が一気に増加します。
大学受験に臨んだ高校3年生の約25%が1日7時間、約15%が6時間勉強していると回答しており、平均を上まわる勉強量の生徒も多い傾向でした。
また多くの国公立大学の受験科目が5教科なのに対し、私立大学は3~4教科での受験が可能です。
そのため、国公立大学を目指す生徒の方が学習時間を多く確保している傾向があります。
大学受験を独学で乗り切る際のリスク
大学受験を独学で乗り切り、塾にいかないで見事志望大学に現役合格している生徒も存在します。しかし、独学での勉強にはいくつかリスクもあります。
大学受験で失敗しないためには、独学の勉強にはどのようなリスクがあるのか把握し、自分なりに対策をとることが大切です。
目標や勉強計画が失敗する可能性がある
独学はその名のとおり、自分独自の方法やペースで勉強を進める勉強法です。
塾や予備校のような大学入試に向けた学習カリキュラムがないため、
- 合格に向けた目標(ゴール)の立て方
- 目標を達成するための勉強の進め方・ペース
- 苦手分野の克服法
- 自分にあった参考書
などを手探りで見いだす必要があります。
万が一計画通りに勉強が進まない場合、周囲のライバルと学習進度に差がついてしまうリスクもあるため注意が必要です。
塾や予備校の模試を受けてみるのもおすすめ
独学の場合、学習の理解度や成績を客観的に確認し、自己分析できる機会が決して多くはありません。
現時点で自分はどのくらいの偏差値があり、どのランクの大学を目指せるのかがわからないと、最終目標の志望大学が定まりにくいリスクも生じます。
塾や予備校では受験生向けのオープン模試を実施しているところも多数あります。
塾なしで受験に挑む場合でも、自分の実力を把握するために積極的に受けてみるのがおすすめです。
受験情報が不足する
大学受験に独学で挑むにあたり、最も苦労するのが受験に関する情報収集です。
全国には膨大な数の大学があります。その中から将来の希望や得意科目、進学可能地域、入試制度など様々な条件下で自分にあった大学を探すのは想像以上に困難です。
塾や予備校は、長年の経験や多くの受験生を大学合格に導いた実績をもとに、受験に関する様々な情報を持っています。
- 大学や学部別の入試傾向
- 入試に出題されやすい分野やポイント
- 効率よく試験問題を解くテクニックや暗記法
このような様々な情報が効率よく知れるため、塾に通っている生徒は情報収集が不要で、その分の時間を勉強に費やせます。
また、苦手科目がある生徒は、独学で克服するには相当の努力と時間が必要ですが、塾や予備校の中には、苦手科目だけを科目単位で集中的に学べるところもあります。
得意科目を生かしつつ、苦手を克服して成績を効率よく伸ばしたいなら、独学をベースに科目単位での通塾を検討してみてもよいでしょう。
勉強のモチベーション維持が難しい
独学は自分1人で勉強を進めていくため、塾や予備校のようにライバルと切磋琢磨しながら勉強する環境下にはありません。
自分1人で目的に向かって地道な努力が必要なので、モチベーションを保ちにくいのも独学のリスクの一つです。
塾や予備校は「大学合格」という同じ目標を持つ仲間がたくさんいるため、孤独を感じづらく、ライバルからの刺激でモチベーションアップにもつながります。
また成績が伸び悩んだときや、勉強に行きづまったときなどは、経験豊富な講師による的確なアドバイスや励ましも受けられます。
大学受験の勉強は短期戦ではなく、長期戦です。モチベーションが下がって勉強への意欲が持続しないとすぐにそれが成績に反映されてしまいます。
モチベーションが下がってきたと感じたら、早めに親や学校の先生に相談するなど、自分なりの対策をとりましょう。
塾や予備校なしの独学で大学受験が成功する人の特徴
ここまで独学で勉強することのリスクについて解説しましたが、独学のリスクを回避し塾や予備校なしで大学に合格できる人には3つの特徴があります。
- 自分の学力を把握し勉強のスケジュールが立てられる
- 自力で志望校の受験対策向けの情報収集ができる
- 相談できる人や勉強の環境が整っている
それぞれの特徴について詳しく解説します。
自分の学力を把握して勉強のスケジュールが立てられる
独学で大学に合格するために最も必要なのは自己管理能力です。
自分の学力がどのくらいなのか客観的に把握したうえで、志望大学に合格するために必要な勉強のスケジュールが立てられる人が、独学に向いています。
- ゴールを意識した計画・設計
- 時間単位の学習計画表を作成
- 長期目標を立てる
- 自分に足りない部分をリストアップ
独学の勉強スケジュールを立てるときは、上記の項目を意識し、勉強のすすめ方に関する自分なりのルーティーンを確立させるとよいでしょう。
また、塾のような合格を目指すための学習カリキュラムやノウハウはないため、学習内容はもちろん使用する参考書選びや模試の申し込みなど、全て自ら行う必要があることも覚えておきましょう。
自力で志望校の受験対策向けの情報収集ができる
独学で大学入試に挑む人は、受験に関する情報も全て自分で収集が必要です。
具体例をあげると以下の情報を自力で集められる人が、独学に向いています。
- 志望校の過去5年間の出題傾向
- 志望大学の入試形式や方法
- 希望する学部の入試範囲や試験方法
- 志望校・科目にあったおすすめ参考書はどれか
予備校や塾では、志望校に特化した独自の参考書や演習問題が用意されています。
しかし、独学の場合は自分に必要な問題や参考書を自ら探す力が必要です。
また、わからない点が生じたら自己解決が必要なため、市販の問題集や参考書を選ぶときは、回答だけでなく解説がしっかり記載されているものを選ぶことをおすすめします。
相談できる人や勉強の環境が整っている
独学で勉強を進めていると、自分の勉強の進め方が適切なのか不安に感じたり、進路に悩んだりするときもあるでしょう。
思うように成績が伸びないと精神的に負担を感じたり、勉強のモチベーションが下がったりする場合もあります。
そのようなとき、学校の先生や保護者、友人など周囲に相談できる人がいるかどうかも、独学の成功を左右する大切なポイントです。
また、独学で勉強を効率よく進めるためには、勉強に集中できる環境づくりも必須です。
特に本格的に受験勉強に取り組む時期は、最初にご紹介したデータからもわかるように1日あたり平均5時間程度勉強します。
塾や予備校の多くでは講義時間以外にも自由に使える自習室が完備されていますが、独学の場合は基本的に自分にこもって勉強します。
そのため、学習環境をいかに整えられるかが、大学入試の合否に大きく影響するのです。
効率的な大学受験のポイント
大学受験の合格に向け効率的に勉強をすすめ、成績を伸ばすために押さえてほしいポイントが3つあります。
- 勉強を習慣化する
- しっかり基礎を固める
- 間違えた問題に向き合う
具体的にどのように学習を進めるべきか解説します。
勉強を習慣化する
高校生が受験勉強を進めるにあたり、最も重要なのが勉強の習慣化です。
高3の本格的な受験シーズンに慌てて勉強をスタートすると、最初の時点でライバルに大きな遅れをとってしまいます。
また、いままでさほど勉強時間を確保してこなかった生徒が、急に長時間机に向かって勉強しようとしても、集中力が持続せず勉強の効率が悪くなる恐れもあります。
毎日コツコツ勉強を続け、勉強を習慣化することが成績アップの近道です。
ただし、勉強習慣はもちろん、勉強内容も大切です。
- 勉強しようと決めても、具体的にやるべきことがわからない
- 苦手な分野が理解できずなかなか先にすすめない
- 自分の弱点が把握できない
- 優先順位のつけ方がわからない
独学で勉強する過程で上記のような悩みがでた場合、そこから先に進めず成績が伸び悩む可能性があるので注意が必要です。
しっかり基礎を固める
大学入試に臨む生徒にとって、基礎学力が身に付いていることは大前提です。
大学入試では、高校3年間で学んだ学習範囲をベースに、大学の難易度別に応用問題が出題されます。
基礎学力が身に付いていないと、過去の入試問題や応用問題にチャレンジしたとしても理解できません。
塾や予備校では学力別のクラスが用意されているため、万が一基礎につまずいても、そこに立ち返って最初から教えてもらえます。
独学で大学入試に臨もうと考えている生徒は、「参考書の解説が自分で理解できるレベル」まで基礎学力をつみあげておきましょう。
間違えた問題に向き合う
テストや模試、参考書などで間違えた問題は、その場ですぐに解き直し「どうして間違えたのか」を考えることが成績向上につながります。
間違えた問題=自分の弱点です。何が理解できていないのかを分析し、徹底的に復習すれば同じ問題を間違えることがなくなり、その結果自分の実力がアップします。
模試やテストの結果に一喜一憂して終わるのではなく、間違えを繰り返さないための対策が大切です。
具体的には、模試やテストで間違えた問題をすぐノートに書きだし、解答を見ながら理解できるまで繰り返し復習するとよいでしょう。
独学で市販の問題集や参考書を活用する場合、解答だけが書かれたものでは不十分です。
間違えた問題が十分理解できないため、解説が充実しているものを選びましょう。
その点、塾や予備校は模試試験やテストの直後に解説授業が行われるので、受講することで間違えた問題に効率よく向きあえて有利です。
まとめ
今回は独学で大学受験を目指すメリットやデメリット、効率的な勉強の進め方のポイントを解説しました。
- 勉強計画を立てて実行できる
- 自ら受験に関する情報を収集できる
- 自学でも勉強のモチベーションが保てる
上記に該当する生徒であれば独学でも大学受験に取り組めるでしょう。
しかし、もし独学で勉強するにあたって苦手な教科や分野が出てきた場合には、学習塾の力を借りるのがおすすめです。
学習塾の方針にもよりますが、基本的には得意な科目は独学で勉強し、塾では苦手な科目だけピンポイントで学べるので、「独学でなるべく塾なしで受験を成功させたい」人にもぴったりです。
- テストで自分の実力が客観的にわかる
- 苦手科目の大学入試に特化した学習法がわかる
- 問題の効率のよい解き方が知れる
- 自分にあった勉強法が身に付く
- 仲間と切磋琢磨しながらモチベーションが保てる
週1回からでも当塾に通えば、上記のような様々なメリットが得られます。
独学の生徒に多い「志望大学に合格するためにどんな勉強計画を立てるべきか」「何を優先的に学ぶべきか」などの悩みの答えもすぐ見つかります。
部活と勉強の両立が難しくて悩んでいる生徒も、早い段階で自分にあった勉強法を習得し基礎を固めておけば、部活と勉強の両立も十分可能です。
大学受験勉強でライバルに差をつけ、確実に結果を出すためには、早めのスタートが圧倒的に有利です。
学習塾によっては無料体験授業も行っているので、独学がきつくて塾に通うか迷っている人は、一度申し込みしてみてはいかがでしょうか。