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【横浜市立横浜商業高等学校の受験情報完全ガイド】偏差値・進学実績・入試・過去問・評判から受験対策まで解説!

【横浜市立横浜商業高等学校の受験情報完全ガイド】偏差値・進学実績・入試・過去問・評判から受験対策まで解説!
目次

はじめに

横浜市立横浜商業高等学校(通称「Y校」)は、神奈川県内最古級の歴史を持つ公立高校として知られ、商業科・国際学科・スポーツマネジメント科を設置する伝統校です。

本記事では、受験を控える中学生と保護者の方に向けて、横浜市立横浜商業高校の魅力と合格へのポイントを総合的に解説します。

出典:ホーム(横浜市立横浜商業高等学校)

横浜市立横浜商業高等学校ってどんな学校? 概要まとめ

基本情報

所在地: 横浜市南区南太田2-30-1(郵便番号232-0006)。最寄りは京急線「南太田駅」徒歩7分、地下鉄ブルーライン「蒔田駅」徒歩7分で、バス停「Y校前」も校門すぐです。

設立: 前身は1882年(明治15年)設立の横浜商法学校で、現校名としては1948年以降の長い歴史があります。明治期創立であり、森鷗外が校歌を作詞するなど伝統校として知られます。

課程・男女区分: 全日制普通課程に専門学科を併設する形で、男女共学の市立高等学校です。商業に関する学科(商業科)と国際学科、スポーツマネジメント科の3学科があります。

設置学科: 商業科(4〜5クラス規模)ではビジネス基礎を学び、大学進学希望者向けの選抜クラス「YBC(ビジネスリーダークラス)」も40名定員で設置されています。

スポーツマネジメント科(1クラス)はスポーツ・健康分野に重点を置き、国際学科(1クラス)は英語・国際理解教育に特化しています。

いずれも全県から志願可能な学区になっています。

公立高校ですが市立のため、同じ神奈川県立校とは入試の方式や特色検査に一部違いがあります。

出典:学校所在地・連絡先(横浜市立横浜商業高等学校)
YBCクラス(横浜市立横浜商業高等学校)
国際(横浜市立横浜商業高等学校)
YSM(横浜市立横浜商業高等学校)
商業科(横浜市立横浜商業高等学校)

校風・特色 

教育方針: 単なる知識詰め込みではなく、ビジネス教育・国際理解教育を通じて実社会で活躍できる力を養う方針です。

学科別でみると、商業科では資格取得や探究学習を重視し、文化祭では商品の企画〜販売を行うなど実践的なビジネス体験を取り入れています。

スポーツ科ではロサンゼルス研修旅行などを通じてスポーツビジネスを肌で学び、講演会や職業体験でアスリート・トレーナーの仕事を体験します。

国際学科では英語漬けの合宿「ESC」や国際学生会議(YSFやニューヨーク国連訪問)など特色あるプログラムで語学力と国際感覚を養います。

カリキュラムの特徴: 普通科目に加え専門科目が充実しており、例えば商業科・YBCでは簿記や情報処理などビジネス系資格の取得を強力にサポートしています。

国際学科ではオールイングリッシュの授業や個人研究レポート作成など高度な語学・探究活動を行います。

スポーツ科では専門競技の実技とスポーツ科学の座学を組み合わせ、文武両道を目指したカリキュラムです。

いずれの学科も探究学習や課題研究を重視し、専門性と創造力を磨けるのが特色です。

主な行事: 例年、Y校祭(文化祭)は秋に2日間開催され、2008年には来場者数約1万人を記録するなど大変な盛り上がりを見せます。

生徒自ら模擬店やステージ企画を運営し、商業科の生徒は販売実習も兼ねて商品を扱います(※近年も1万人前後が訪問)。

体育祭は夏に行われ(7月上旬)、全学年混合のブロック対抗リレーなど熱戦が繰り広げられます。

国際学科は海外修学旅行(令和6年度入学生からはインドネシア・バリ島予定)を実施し、スポーツ科は国内でのスポーツ研修旅行を行うなど、学科ごとの特色行事も豊富です。

出典:学校教育目標(横浜市立横浜商業高等学校)
国際(横浜市立横浜商業高等学校)
YSM(横浜市立横浜商業高等学校)
商業科(横浜市立横浜商業高等学校)

部活動

設置部活一覧: 

運動部では、硬式野球部・軟式野球部、陸上競技部、男女バスケットボール部、女子バレーボール部、サッカー部、硬式テニス部・ソフトテニス部、卓球部、バドミントン部、剣道部、弓道部、ボート部、バトントワリング部、ダンス部、吹奏楽部など非常に多彩です。

文化部も、簿記部、ワープロ部、英語部、書道部、美術部、漫画研究部、茶道部、料理部、自然科学部、写真部、軽音楽部、中国語研究会など多数あり、自分の興味に合った活動が見つかります。

活動状況: いずれの部活も活発で、特に硬式野球部は「Y校」の名を全国に轟かせる伝統校です。夏の甲子園には戦前から幾度も出場し、1983年には春夏連続で準優勝を果たしています。これは神奈川県公立校として戦後唯一の快挙で、当時のエースは後にプロ入りするなどOBも活躍しました(近年は甲子園出場から遠ざかっていますが歴史的強豪です)。

またボート部は現在も校地近くの大岡川で練習を続けており、2021年に女子ダブルスカルで59年ぶりにインターハイ優勝を遂げています。

卓球部もインターハイ出場常連(男子21回・女子3回出場)という実績があります。

他にも、ダンス部バトントワリング部が県大会で上位入賞するなど、多くの部で成果を挙げています(公式サイトの各部ページでも最新情報が公開されています)。

特徴・雰囲気: 部活動加入率は高く、生徒同士・先輩後輩の仲が良いのが特徴です。

野球部応援をきっかけに他校と交流が生まれるなど「Y校スピリット」が受け継がれており、運動部・文化部問わず学校全体で活動を応援する伝統があります。

部活動を通じて礼儀やチームワークを学ぶことも重視しており、生徒の自主性を尊重しつつ指導者がしっかりサポートする体制です。

「文武両道」を掲げ、勉強と部活の両立も奨励されています(実際、部活生から難関大学合格者も出ています)。

出典:部活動(横浜市立横浜商業高等学校)
ボート部 インターハイで日本一&4位入賞しました!(横浜市立横浜商業高等学校)

制服

冬服は男子が黒の学ランで、女子は濃紺のブレザーにジャンパースカートで、リボンやネクタイは付属しておらず、シンプルで落ち着いたスタイルです。

夏服では、男子は学ラン上着を着用せず、白のワイシャツに黒またはグレー系のスラックスになります。女子はブレザーを着用せず、ジャンパースカート単体または別デザインのスカート+半袖シャツ(ポロシャツ可)で過ごします。

女子用にはスラックスも自由購入品として用意されており、希望者は夏冬問わずスラックス着用も可能です。

指定販売店で採寸・購入する方式で、例年入学前の指定期間に販売会があります(令和7年度は2月下旬〜3月上旬に予約制で実施)。

なお、校則上カーディガン等の防寒着は指定色内で着用可、靴下や靴・鞄は自由度があります。制服の評判は在校生・保護者からも概ね好評で、「伝統を感じる」「きちんとして見える」との声が多いようです。

出典:制服のご案内(横浜市立横浜商業高等学校)

教育目標・校訓

教育目標: 学校公式に定められた教育目標は、「他を尊重し自立精神を持つ個を育み、将来の社会人としてビジネス社会を理解し、問題解決能力と国際的視野を持つ豊かな人間を育てること」です。

商業教育・国際教育を核に据え、生徒一人ひとりの自主性や他者への敬意を涵養しようという精神が表れています。

またスクールミッションとして、商業科では起業家精神の醸成、国際学科では英語力と国際感覚の育成、スポーツ科ではスポーツ・健康分野で貢献する人材の育成、と各学科の特色を生かした専門教育を推進することが掲げられています。

これらは時代の変化に対応しつつ「心の誠(まこと)」を大切にするY校の伝統精神にも通じています。

校訓・スローガン: 学校独自の短い校訓は特に明文化されていませんが、校歌の一節「変わらぬものは心の誠」が事実上のモットーとして受け継がれています。

「どんな事業に携わろうとも、誠実な心だけは変わらない」という意味で、森鷗外作詞の校歌に込められた精神です。

また、生徒たちは日頃から「正直に生きる」「自主自律」といった言葉を大切にしており、これらがY校の校風を表しています。

出典:学校教育目標(横浜市立横浜商業高等学校)
校歌・校章(横浜市立横浜商業高等学校)

略称

横浜商業高校は一般に「Y校(ワイこう)」の愛称で親しまれています。校章や制帽、野球部のユニフォームに大きく「Y」の文字があしらわれていることに由来し、古くから卒業生・地元住民にもこの略称で呼ばれてきました。

ちなみに、同じ「Y校」の愛称を持つ横浜高校(私立)と区別するため、公立の横浜商業は単に「Y」または「Y校」と表記され、TVKテレビの高校野球中継でも90年代後半まで一貫して「Y」と表示されていたエピソードがあります。生徒達も自らの学校を誇りを込めてY校と呼び、一種のブランドとして大切にしています。

また、同窓会の名称は「進交会(しんこうかい)」と言い、Y校の卒業生だけでなく横浜市立大学(旧・横浜市立横浜商業専門学校〈Y専〉からの流れ)の卒業生も会員とする独特の組織です。

アクセス

横浜市南区南太田2-30-1(最寄駅:京急線「南太田駅」、市営地下鉄ブルーライン「蒔田駅」)。最寄りの南太田駅・蒔田駅からはいずれも徒歩7分程度とアクセス良好です。

JR線利用の場合は横浜駅から京急線に乗り換えて約10分、最寄りバス停「Y校前」(横43系統ほか)も校門の目前にあります。

出典:学校所在地・連絡先(横浜市立横浜商業高等学校)

横浜市立横浜商業高等学校の偏差値・内申点目安

【横浜市立横浜商業高等学校】偏差値_内申点目安

最新の偏差値

国際学科:約58、商業科:約52、スポーツマネジメント科:約49となっており、コースにより難易度差がある点に注意が必要です。

難易度傾向としては、国際学科は英語力重視のため内申・学力ともやや高めで、県内でも上位校寄りの難易度です(偏差値55前後が合格目安)。商業科は県内平均よりやや上(偏差値50前後)で、基礎学力がしっかりしていれば十分狙える水準です。スポーツ科は学力偏差値自体は他より低めですが、実技検査があるため運動能力との両立が求められます。

出典:横浜市立横浜商業高校(神奈川県)の偏差値 2025年度最新版(みんなの高校情報)
令和7年度神奈川県公立高等学校入学者選抜選考基準及び特色検査の概要(神奈川県ホームページ)

合格に必要な内申点の目安

横浜商業高校では内申点(調査書点)が合否に大きく影響します

県の入試制度上、第一次選考では中3の内申(9教科5段階評定)と学力検査点が同比率で扱われ、第二次選考でも学力:内申の比率はおおむね8:2程度となります。そのため、早い段階から定期テストで高得点を取る習慣をつけ、内申オール4以上(45点満点中35前後)を目指すのが望ましいです。

内申点向上の対策としては、日頃の授業態度・提出物の徹底と定期テスト対策が基本です。副教科含め手を抜かず、評定5や4を積み重ねていきましょう。

また、生徒会活動や検定取得など加点要素が評価される場合もあるので、積極的に取り組むことが内申アップにつながります。

近隣/同レベルの高校との比較

横浜商業高校と同程度の学力レベルで比較される近隣校としては、神奈川県立港北高校川崎市立橘高校(国際科)などが挙げられます。

偏差値で見ると、港北高校・橘高校国際科と横浜商業国際学科はいずれも偏差値帯がほぼ同水準です。一方、横浜商業の商業科(偏差値49)は横須賀総合高校市立戸塚高校(音楽コース)などと並ぶレベルで、神奈川県内の中堅クラスに位置します。

同じ市立校では、横浜市立桜丘高校(普通科)などがありますが、桜丘は伝統ある進学校寄りなのに対し、横浜商業は実学志向が強い点で進路の傾向が異なります(桜丘は大学進学率が高め、横浜商業は就職者も一定数)。

また私立では、横浜翠陵高校横浜創英高校などが難易度的に近い存在ですが、これらは普通科のため専門性では横浜商業に分があります。

総じて、横浜商業高校は「程良い難易度で専門スキルも身につく公立校」として独自のポジションを占めていると言えるでしょう。

出典:横浜市立横浜商業高校(神奈川県)の偏差値 2025年度最新版(みんなの高校情報)

横浜市立横浜商業高等学校の入試情報

募集定員・入試日程

募集定員(2024年度実績): 商業科 199名、スポーツマネジメント科 39名、国際学科 35名です(年度により微調整あり)。商業科のうち40名は大学進学を前提としたYBCクラス選抜者となります。定員は全て一般募集枠で、特色ある推薦募集等は行われていません。

入試日程(共通選抜): 神奈川県公立高校入試の日程に準じます。

2025年度の場合、学力検査は2月14日(金)に5教科一斉実施。面接および特色検査(該当学科のみ)は2月14日当日および2月17日(月)・18日(火)に行われました。出願期間は1月下旬(例:1/23〜1/30)、志願変更は2月上旬(例:2/4〜2/7)となります。合格発表は例年2月下旬(2025年度は2/28)にあり、合格者登校日や入学手続きは3月上旬に設定されます(詳細は合格通知時に案内)。

なお学力検査の時間割は英・数・国・理・社各50分で、昼休憩を挟んで1日で実施されます

出典:YBCクラス(横浜市立横浜商業高等学校)
令和7年度神奈川県公立高等学校入学者選抜一般募集共通選抜等の志願者数(志願変更締切時)について(神奈川県ホームページ)

選考基準

横浜商業高校では、第一次選考として「調査書点(内申)と学力検査点」を一定比率で合算して上位から合格者を決定し、残りを第二次選考で「学力検査点重視」で補充するという方法が取られています。具体的な比率は学科によって異なります。

  • 商業科: 第一次選考は「内申:学力検査=5:5」の同率配点で特色検査は課されません(面接も実施なし)。第二次選考では「学力検査:内申=8:2」と、学力重視になります。いずれも特定教科の重点化はなく、全教科をフラットに評価します。
  • 国際学科: 第一次選考は「内申:学力検査:特色検査(面接)=5:5:2」の比率で行われます。ここで内申と学力両方について英語の成績・点数を2倍に換算する重点化が実施されます(英語重視のため)。第二次選考では「学力検査:内申:面接=8:2:2」とされ、こちらでも英語重点化は継続されます。つまり国際学科志望者は英語が合否を左右すると言っても過言ではありません。
  • スポーツマネジメント科: 第一次選考・第二次選考ともに「内申:学力検査:特色検査(実技)=5:5:5」と実技重視の配点となります。内申では保健体育の評定が2倍に重点化され、実技検査での得点とあわせて評価されます。なお実技検査の詳細は後述しますが、ここで好成績を出すことが合格の鍵です。

学科ごとに選考基準が異なる点に注意が必要です。

共通して言えるのは、商業科は筆記・内申バランス型、国際は英語突出型、スポーツは実技型ということです。

自分の強みや適性に合わせて学科を選択し、その選考基準に照準を合わせた対策を取りましょう。

出典:令和7年度神奈川県公立高等学校入学者選抜選考基準及び特色検査の概要(神奈川県ホームページ)

学力検査

科目・配点・時間: 学力検査は英語・数学・国語・理科・社会の5教科で、各100点満点・50分間の筆記試験です(県下一斉の共通問題)。国際学科のみ英語の得点が2倍扱いになるため、国際志望者は実質600点満点になります。リスニング(英語)や記述式問題も含まれます。

全体傾向: 神奈川県公立入試の問題は難易度が高めで知られます。問題量も多く、例えば英語は長文が約600語と長めで、選択肢もひねった作りになっており「すぐに正答を選べないものが多かった」と分析されています。数学は毎年大問構成に大きな変化はありませんが、図形問題では補助線を引かないと解けない高難度のものが含まれます。

受験者平均点は5科目合計で毎年おおむね250〜300点台となり、満点を取るような生徒はごく一部です。難化・易化の年波はありますが、「全体として依然難しい」というのが塾講師の共通認識です。

出典:令和7年度神奈川県公立高等学校入学者選抜選考基準及び特色検査の概要(神奈川県ホームページ)

科目別ポイント:

  • 英語: リスニング(小問7程度)→文法・会話文の整序→英作文→長文読解2題という構成。長文は環境問題など題材が硬めで、選択肢の言い換え理解が必要な内容一致問題があります。英作文は比較的書きやすい年もありますが、リスニング音声が速めで取りこぼしやすい点に注意です。
  • 数学: 大問6題前後。計算・小問集合から始まり、関数、平面図形、場合の数や証明問題と続きます。近年、完答条件の証明問題が消えるなど多少易化傾向もありますが、相変わらず関数×図形融合問題など思考力系の設問が多いです。特に二次関数と図形の複合問題では工夫が要求され、「等積変形」など高度な着眼が必要でした。時間内に解ききれず見直し時間が足りない生徒も多いようです。
  • 国語: 大問5〜6題で、論説文・小説・古文・資料読解など満遍なく出題。令和4年度には平均点が大幅上昇し易化しましたが、翌年にはまた古文の主語判別や敬語解釈など難問が並びました。小説では方言混じりの会話文が出るなど読みにくさもありますが、心情把握自体は標準的です。漢字の読み書きは基本的なものが出ますが、例えば「固唾(かたず)」など中学生には馴染みが薄い語も問われました。古文は毎年やや難しく、補助訳頼みでも設問が解けるとは限りません。
  • 理科: 生物・地学・化学・物理の4分野から均等に出題されるのが特徴です。各分野2題ずつ、小問構成で、計算問題・実験考察問題・作図問題など総合力が問われます。近年、中1内容から約32点分・中2から24点分・中3から44点分程度と、中3内容偏重ぎみという分析があります。難易度は分野により差がありますが、2024年は平均点が前年度比+6.3点と上昇しました。時間との勝負になるので、過去問演習でスピードに慣れておく必要があります。
  • 社会: 地理・歴史・公民からバランスよく出題。資料読み取りや記述も毎年出ます。2024年は平均点が前年より約8点下がり難化しました。例えば公民分野で時事的なテーマ(SDGsや18歳選挙権など)が問われ、初見資料に対する考察力が要求されています。歴史では年代整序問題、地理では統計グラフの読み取りなど定番ですが、設問の聞き方がひねっていることもあり注意が必要です。

調査書(内申点)

評価方法: 調査書点(いわゆる内申点)は、原則として中3の学年評定(5段階)を9教科合計したもの、および中2学年評定を一部加味した形で算出されます。

神奈川県では「中3評定×2+中2評定」を合計135点満点に換算して用いる方式がとられており、横浜商業高校でもこれに則っています。例えば中3オール4・中2オール4の場合、調査書点は(4×9×2+4×9)=108点となります。

重点化の有無: 商業科・スポーツ科では調査書点について特定教科の加算(重点化)はありません。一方、国際学科では英語の評定を2倍にして計算します。例えば中3で英語5・他教科4の場合、通常なら(5+4×8)×2+(5+4×8)=105点ですが、英語重点化により(52+4×7)×2+(52+4×7)=110点となります(概算)。

このように国際では英語力を示す内申が重みを増しますので、英語以外も含め評定オール4以上が理想です。スポーツ科では保健体育の評定を2倍に換算します。したがって、各学科ごとに内申で特に重視される科目があります。

内申点の重要性: 先述の通り横浜商業の第一次選考は内申:学力が等価(商業科)または内申も一定比率を占めます。そのため高い内申を持っていること自体が大きなアドバンテージになります。

内申が足りない場合、当日試験で相当挽回しないと逆転は難しいため、在校中の定期試験対策や提出物・授業態度まで気を抜かないよう心がけましょう。オール3台後半〜オール4相当(評定合計30〜36以上)が合格ラインの目安と考えられます。

評価のポイント: 神奈川県では調査書に「主体的に学習に取り組む態度」の観点も記載されます(いわゆる観点別評価)。

第二次選考でこれが評価に加わる場合もあります。具体的には、授業への積極的参加、課題研究や生徒会活動などが評価されることがあります。

内申対策として、単にテスト点を取るだけでなく、授業発言・グループワーク・学校行事への取組など主体的な姿勢を示すことも有効でしょう。日頃から先生方とのコミュニケーションを図り、評価されるポイントを押さえておくと安心です。

出典:令和7年度神奈川県公立高等学校入学者選抜選考基準及び特色検査の概要(神奈川県ホームページ)

面接

面接は国際学科のみ実施されます(商業科・スポーツ科では課されません)。

国際学科の受験生は学力検査翌日以降に個人面接を受けます(令和7年度は2/14〜2/18の指定日)。また在県外国人等特別募集で国際学科を受ける場合は面接が免除されます。

形式: 1人当たり10分前後の個人面接で、面接官は複数名(教師等)です。質問はあらかじめ提出する「面接シート(自己PR書)」に沿って行われます。面接シートでは(1)志望理由、(2)頑張ってきたこと・高校で取り組みたいこと・自分の良いところ、の2点を記入します。

これらを参考に「どうしてY校で学びたいか」「中学校で力を入れたこと」など基本的な質問がなされます。場合によっては英語で簡単な質疑応答があることも想定されます(国際学科のため)。

面接では、志望意欲の高さ表現・コミュニケーション能力が重視されます。具体的には、「本校で学びたい明確な目的を持っているか」「自分の経験や強みを的確にアピールできるか」「受け答えがはきはきしているか」などが評価ポイントです。

また礼儀正しさや身だしなみも見られますので、入室ノック・挨拶・お辞儀の所作など基本マナーを押さえておきましょう。

国際学科志望者の場合、英語力アピールの好機でもあります。例えば中学校での英検取得や留学経験などがあれば、それを英語で簡潔に述べると効果的です(ただし質問に答える形で無理なくアピールするのが望ましい)。面接シートに書いた内容と齟齬がないよう、自分の言葉で語れるよう準備しましょう。

面接官は「主体性」や「協調性」も見ていますので、部活動や委員会活動の経験から学んだことなどを交えて答えると好印象です。

出典:令和7年度神奈川県公立高等学校入学者選抜選考基準及び特色検査の概要(神奈川県ホームページ)

特色検査/自己表現検査など 

横浜商業高校では特色検査として、スポーツマネジメント科と国際学科で実施されます(商業科では実施なし)。

  • スポーツマネジメント科:実技検査が特色検査に当たります。受検生は用意された7種目(ソフトボール・卓球・ソフトテニス・バレーボール・バスケットボール・サッカー・基礎運動)の中から1種目を選んで実技試験を行います。

各種目の具体的な検査内容(技能テスト項目)は当日その場で発表されます。例えば野球なら遠投や打撃、バスケならシュートやドリブル、基礎運動ならシャトルラン等が課されるイメージです。検査時間は種目ごとに約90分設けられ、ウォーミングアップ後に順次実技を評価します。

評価の観点は「基礎体力・技能の水準」「動きのキレ・正確さ」「取り組む態度」等です。日頃の部活動経験の成果が問われ、緊張感の中で実力を発揮できるかも重要になります。

ちなみに各種目とも合否基準が厳密に定められているというより、受検生同士の相対評価で順位付けされる形です(よってどの種目を選んでも有利不利はありません)。

  • 国際学科:面接が特色検査となります。内容・評価については前述の「面接対策」と重複しますが、要するに「生徒の個性・意欲を直接見る」ための検査です。

特色検査としての配点は決して小さくない(第一次2相当、第二次でも2相当の比重)ため、面接出来如何で合否が動く可能性もあります。評価観点は自己PR力・志望動機の明確さなどです。面接官は英語での簡単な受け答えにも注目していると言われますので、突然英語で質問されても落ち着いて対応できるよう準備しましょう。

どちらの特色検査も、学力検査には現れない長所を示すチャンスですので、自信を持って臨みましょう。

出典:令和7年度神奈川県公立高等学校入学者選抜選考基準及び特色検査の概要(神奈川県ホームページ)

合格ボーダーライン予測 

商業科のボーダー目安: 内申と当日点の合算で考えます。目安として、内申がオール4(36/45)程度ある場合、学力検査5科合計で約300点(平均60点)取れれば合格圏と考えられます。逆に内申がオール3台後半(30前後)の場合は、合計360点(平均72点)ほど必要になる計算です。素点換算で5教科それぞれ55点程度が一つの目標ラインです。

国際学科のボーダー目安: 英語重点があるため一概に言えませんが、合格者平均は内申105・偏差値55程度になります。これを換算すると、内申35の場合で当日(英語2倍換算)約360/600点(1科平均60点)ほどが目安となります。ボーダー層は内申100前後・当日得点320点前後(英語2倍換算)と見られます。英語が得意で他科目も平均点を大きく下回らないことが条件になるでしょう。

スポーツ科のボーダー目安: 内申は保体重点のため、例えば保体5・他科目平均3.5程度(総合27~30)あれば十分です。その場合、当日は実技で中くらいの評価+筆記5科合計250点程度で合格できると推測できます(筆記の平均点がやや低めでも実技でカバー可能)。

逆に筆記が苦手な人は、実技でトップクラスの評価を取ることで挽回できます。総じて、スポーツ科は実技重視のため単純な点数比較は難しいですが、筆記は苦手科目を作らず平均50点以上確保を目標にしましょう。

※あくまで予測ラインです。実際の競争率や問題の難易度で変動しますので、余裕を持った得点・評定を目指してください。

倍率の推移 

近年の入試倍率は1.1倍前後で推移しています。2022年度約1.02倍→2023年度1.14倍→2024年度1.18倍と、やや上昇傾向です。

定員に対し毎年わずかな超過応募がある状態で、神奈川の公立校としては平均的な倍率と言えます。

学科別に見ると、国際学科は年度による振れ幅が大きく、2023年度は1.51倍と高倍率でしたが2024年度は1.03倍と定員並みに落ち着きました。国際学科は募集定員が35名と少なく志望者数に左右されやすいため、年によって競争率が変動します。一方、商業科は大規模募集(約200名)であることから倍率は安定しており、直近3年はいずれも約1.1~1.2倍に収まっています。スポーツ科も定員40名に対しほぼ毎年1.0~1.3倍程度(2024年度1.05倍)で推移しています。これは実技の難易度もあり「安全志向」の受験生が多いことが要因と見られます。

出典:1 一般募集共通選抜志願締切時志願状況 (全日制の課程)(神奈川県ホームページ)

学費

授業料: 横浜商業高校は市立ですが、県立高校と同様に授業料年額118,800円と定められています(全日制課程標準額)。ただし高等学校等就学支援金制度により、年収目安910万円未満の世帯はこの授業料が実質無償となります。また、令和7年度は世帯年収制限も撤廃されました。令和8年度についてはまだ未定のため、追って発表をご確認ください。

入学時納付金: 入学金として5,650円、入学検定料2,200円が必要です。入学金は合格発表後1週間以内に、検定料は出願時に支払います。公立校のため入学金は私立と比べ格段に安く、また横浜市在住者向けの減免措置もあります。

出典:県立高校の授業料・諸会費について(神奈川県ホームページ)
神奈川県を使いこなそう(神奈川県ホームページ)
高等学校等就学支援金制度(公立)(神奈川県ホームページ)

推薦入試・帰国生入試など

一般推薦入試: 横浜商業高校では、県立高校で実施されているような「特色選抜による推薦入試(学校裁量)」は行っていません。

全員が一般入学者選抜(共通選抜)の受験を経て合格者となります。ただし、スポーツマネジメント科・国際学科の特色検査は実質的に他校で言う「自己推薦」的要素を含んでおり、本人の得意分野を評価する制度と言えます。

帰国生等特別募集: 正確には「在県外国人等特別募集」という制度があり、横浜商業高校国際学科でも募集枠が設定されています。

これは日本国籍を持たない外国人生徒や海外帰国生徒を対象とした特別枠で、若干名が募集されます。選抜方法は一般枠と基本同じですが、国際学科の面接が免除されるなどの配慮があります(書類審査と学力試験のみで判定)。

また日本語能力を考慮した判定基準となっています。詳細な要件(在留期間や保護者居住要件など)は年度ごとに県教育委員会が発表します。例年、在県外国人特別募集で国際学科に1~2名の合格者が出ています。

スポーツ推薦: スポーツマネジメント科においても特定競技で優秀な成績を収めた生徒に対し実技検査で高評価が与えられる仕組みはありますが、明確な「スポーツ推薦枠」はありません。

つまり全国大会出場者であっても通常の受検と同じ土俵で評価されます。ただし実績がある生徒は面接で自己PRできるため有利になる可能性はあります(例:「〇〇大会優勝」の事実が評価される等)。

(※高校入試における推薦制度は実施なし、特別募集は一部ありという整理になります。)
出典:令和7年度入学者選抜における特色検査の様式(横浜市立横浜商業高等学校)
令和7年度神奈川県公立高等学校の入学者選抜募集案内(神奈川県ホームページ)

過去問の入手方法と活用法

入手方法: 神奈川県教育委員会は公式サイトで過去の学力検査問題と正答を公開しています。令和7年度入試までの最新3年分程度は、県教委HPの「共通選抜 学力検査問題」ページからPDFで閲覧・印刷可能です。

それ以前の年度も含め、民間の教育サイト(リセマム等)でリンク集が公開されています。また書店では「神奈川県公立高校 過去問題集」(東京学参・声の教育社など)が販売されており、過去5〜10年分の問題と詳しい解説をまとめて入手できます。

活用法: 過去問は合格への必須教材です。具体的な活用ポイントは以下の通りです。

  • 時間を計って解く: 本番と同じ50分×5教科の時間設定で、できれば午前中に通し演習してください。神奈川入試は時間配分が難しく、時間切れになる受験生も多いです。過去問演習で「どの科目に時間がかかるか」「見直しに何分割けるか」など体感を掴みましょう。
  • 解説を読み込む: 間違えた問題は解説を熟読し、なぜ誤答を選んだのか分析します。例えば英語の紛らわしい選択肢に引っかかった場合、次からは本文と選択肢の言い換えに注意する、数学の証明で途中式が雑だったなら書き方を整理する、等の改善策をノートにまとめましょう。
  • 類題演習: 神奈川の問題は独特ですが、他県公立高入試問題や全国高校入試問題集を解くことでより多様な問題に触れられます。湘南ゼミナール等は「全国の良問にも挑戦を」と推奨しています。難問への耐性を付けるため、他県の問題(特に首都圏の東京・千葉・埼玉など)にも積極的に取り組みましょう。
  • 模試の活用: 神奈川全県模試や進研Vもしなどを年3〜4回は受験し、志望校判定や弱点診断に役立てます。模試結果から「社会の記述対策を強化しよう」「理科の計算ミスを減らそう」など次の勉強方針を明確にしましょう。判定偏差値も参考になりますが、あくまで目安なので一喜一憂し過ぎず、弱点補強に活かすことが大切です。

過去問演習の効果は絶大で、解けば解くほど点数が安定してきます。直前期は過去問と模試の復習を最優先に、苦手分野の参考書学習などを並行すると良いでしょう。

過去問は最低でも3年分×2周、可能なら5年分以上を繰り返し解いて本番に臨んでください。

出典:【過去問】神奈川県 公立高校入試[問題・正答](リセマム)

横浜市立横浜商業高等学校の進学実績

大学合格状況

横浜商業高校は進学・就職ともに実績豊富で、卒業生の約7〜8割が大学・短大・専門学校へ進学します。

令和6年度(2024年3月卒業生)の進路実績では、卒業生約280名中、大学合格者数は合計252名(延べ、専門学校合格者は110名)となっています。

主な合格先の内訳は、国公立大学が数名、私立大学が多数、短期大学が若干名です。専門学校へは商業科からの進学が比較的多く、簿記や情報系の専門学校、医療事務や保育系の専門学校など多岐にわたります。

出典:令和6年度 大学・専門学校等 合格状況(3月中旬集計合格数)(横浜市立横浜商業高等学校)

国公立大学 合格実績

横浜商業高校から国公立大学へ進学する例は毎年少数ですが、近年は着実に実績を残しています。

主な合格先(最近数年): 横浜市立大(国際商学部・国際教養学部)、東京都立大学(都市教養学部)、国際教養大学(グローバルスタディーズ)、静岡大学(情報学部)など。スポーツマネジメント科からは筑波大学体育専門学群に合格したOBがいます。

 横浜商業高校としては横浜市立大学への合格が一つの指標となっており、ここ数年毎年合格者を出している点は誇れる実績です。今後、国公立大進学を目指す生徒が増えれば更なる実績向上も期待されます。

出典:令和6年度 大学・専門学校等 合格状況(3月中旬集計合格数)(横浜市立横浜商業高等学校)

私立大学 合格実績

私立大学への進学実績は本校の進路実績の中心であり、多様な大学に合格者を輩出しています。年度別の延べ合格者数は、2024年度:延べ約350名(うち4年制大約250名)、2023年度:延べ330名程度、2022年度:延べ300名程度…と増加傾向にあります。

2023年度に早稲田大学人間科学部に1名の合格があります。また、ICU(上智と並ぶ難関私大)に1名、青山学院大学・明治大学・立教大学などMARCHレベルには毎年数名合格しています。

合格者数が多いのは神奈川大学で、2024年度は法・経済・経営・人間科学部など合計15名以上合格しています。次いで関東学院大学も経営・経済・法などに延べ20名近く合格。桜美林大学(ビジネスマネジメント学群等)にも10名前後、東海大学(観光学部等)にも複数合格があります。専修大学駒澤大学帝京大学など日東駒専クラスにも各数名ずつ毎年合格者を出しています。横浜の地元系では横浜商科大学桐蔭横浜大学鶴見大学などに合格者がいます。

また、商業高校らしく流通経済大学東京経済大学など経済経営系の大学、文教大学(文学部)や明治学院大学(英文学科等)といった文系学部への進学が目立ちます。スポーツ系では日本体育大学国士舘大学のスポーツ学部に計4名(2024年度)合格。医療系では東京有明医療大学 鍼灸学科等に合格者がいます。

横浜商業高校の私大合格実績は年々向上しており、特に地元中堅私大への大量合格一部難関私大への合格が両立しています。「商業高校=就職」が主流だった時代から、「進学にも強い商業高校」へとシフトしていることが伺えます。

出典:令和6年度 大学・専門学校等 合格状況(3月中旬集計合格数)(横浜市立横浜商業高等学校)

現役進学率・浪人率 

横浜商業高校の現役進学率は年によって変動しますが、近年はおおむね75〜85%程度と推定されます。2023年度卒業生の場合、約280人中大学・短大合格者が約180名、専門学校合格者が約70名で、進学者合計約250名となりました。単純計算で現役進学率は約89%になります。残りの約30名は就職者35名と重複があるため、浪人(進路保留)はほぼ皆無という状況です。

出典:令和6年度 大学・専門学校等 合格状況(3月中旬集計合格数)(横浜市立横浜商業高等学校)

指定校推薦枠

横浜商業高校は進学指導の一環として指定校推薦枠を豊富に保有しています。

指定校推薦の具体的大学リストは非公開ですが、毎年夏頃に生徒へ説明があります。希望者は評定平均を確認の上、指定校志望届を提出し校内選考を経て推薦されます。

横浜市立横浜商業高等学校の評判・口コミ

良い評判・口コミ 

横浜商業高校の在校生・保護者からの評判は概ね良好です。

学習環境について、授業がわかりやすく、進路指導も親身で、大学・就職双方に対応したきめ細かな指導が好評です。一方で面倒見が良い分「課題が多めで大変」という声もあります。

校風は、生徒は明るく真面目な子が多く、部活生が多いため活気もあると評判です。伝統校ですが堅苦しさはなく、校則は一般的な範囲で、アルバイトは届け出制、携帯使用は原則不可(持ち込みOK)程度とのことです。

また、Y校祭(文化祭)や体育祭の盛り上がりは県内屈指で、口コミでも「文化祭は模擬店が本格的」「他校の友達も招待して喜ばれた」などの声があります。特に商業科の模擬店は商品企画から販売まで本格的で、地域の方からも人気があります。国際学科の英語スピーチ発表会やスポーツ科の競技会など学科行事も特徴的で、「普通科ではできない体験ができる」と好評です。

「勉強との両立ができる環境」「初心者でも歓迎してもらえた」など、部活への満足度も高いです。運動部・文化部ともに活発で実績もあり、「居場所が見つかる学校」と評価されています。

出典:横浜市立横浜商業高等学校 口コミ – 神奈川県の高校(みんなの高校情報)

塾の必要性など客観的な視点

横浜商業高校の生徒は、進学希望の場合は高校内容の難易度もあり塾・予備校を利用するケースが多いです。ただ、全員が通うわけではなく、学校の補習や独学で国公立合格を果たす生徒もいます。

横浜商業高校では志望進路に応じて塾の必要性は異なると言えます。

出典:横浜商業高校の情報(進研ゼミ 高校入試情報サイト

卒業生の声

横浜商業高校の卒業生は「Y校で過ごした3年間が財産になっている」と口を揃えます。

ESC合宿や海外研修など英語漬けの毎日を送って国際系の大学に進んだ生徒や、在学中に日商簿記2級や珠算1級など多数の資格を取得して銀行に就職した生徒、スポーツ科から公務員に進んだ生徒など、その進路は多岐にわたります。

また、卒業後も“進交会”のつながりで異業種交流ができるなど、卒業生同士のネットワークも評価されています。

出典:横浜市立横浜商業高等学校 口コミ – 神奈川県の高校(みんなの高校情報)

横浜市立横浜商業高等学校の受験対策と勉強法

合格に向けた年間学習計画の立て方

横浜商業高校合格を目指すには、中3年間の計画的な学習が欠かせません。以下にモデルプランを示します。

春(中3始業〜6月): まず内申対策を最優先します。1学期中間・期末テストで好成績を収めることで、3年内申を安定させましょう。具体的には春休み〜5月にかけて中1・中2内容の総復習を行い、特に英数国の基礎事項を固めます。

横浜商業志望の場合、英語・国語で平均4以上、他科目も3以上を目標としてください。またこの時期に苦手分野洗い出しのため神奈川県全県模試を1回受けると良いでしょう。5月には志望校の過去問を入手し、1年分は試しに解いてみることで出題のイメージを掴みます。

夏(7〜8月): 夏休みは学力検査対策の山場です。部活引退後の7月下旬〜8月にかけて毎日5教科の演習時間を確保しましょう。

具体的目標は、「主要3教科の入試頻出単元を一通り終える」ことです。例えば英語は長文読解に慣れる、数学は関数・図形の応用問題を重点練習、国語は古文の基礎語彙を暗記、といった具合です。理社も苦手分野(地理の地形図・理科の化学計算など)に集中して取り組みます。

夏は時間があるので、他県の過去問や全国模試問題にも挑戦してみてください。難問への耐性が付き、神奈川入試の難度にも対応しやすくなります。

学校の夏期講習や塾の夏期講習もあれば積極的に参加しましょう。この頑張りが2学期以降の伸びに繋がります。

秋(9〜11月): 2学期は内申アップのラストチャンスです。9月の期末・11月の期末テストで少しでも評定を上げられるよう、提出物完璧・テスト高得点を狙います(特に国際学科志望は英語評定5を死守)。

並行して、過去問演習を本格化させます。9月には直近3年分の過去問を1周し、10月〜11月でもう1周、計2周は解きましょう。

10月末〜11月には志望校判定模試を受け、現時点での立ち位置を確認します(判定がDでも落ち込まず、弱点補強に活かせばOKです)。

冬(12〜入試直前): 12月は私立過去問や予想問題で得点力を仕上げる時期です。そろそろ苦手科目も克服できているはずなので、総合得点で何点取れるかを意識して演習しましょう。

1月は学力検査形式の予想問題集を解きつつ、暗記科目(理社)の総仕上げ暗記を行います。直前期は生活リズムを崩さず、朝型に切り替えましょう。学校の放課後補習や自習室も活用して、最後まで粘り強く勉強を続けるのが重要です。前日は単語帳や社会一問一答を見る程度にして早めに就寝してください。

年間計画のポイント: 内申と入試勉強の両立が鍵です。夏までに内申を固め、秋以降は入試対策重視にシフトするイメージで計画しましょう。過去問演習は秋から繰り返すことで時間配分や問題傾向に慣れることができます。また、部活引退時期によって勉強開始のタイミングは異なりますが、遅くとも夏休みにはギアを入れることが重要です。

横浜商業高校合格者の多くは「早め早めに準備した」人です。逆算して計画を立て、メリハリある一年を過ごしてください。

内申点対策: 

内申点(調査書点)は入試合否を左右すると言っても過言ではありません。第一次選考で内申が50%反映される以上、いくら当日点が良くても内申不足では合格は厳しくなります。

中学校での定期テスト・提出物・授業態度すべてに全力を尽くすことが必要です。

目標設定: 横浜商業高校合格の安全圏目標は評定オール4です(9科合計36以上)。それが難しくとも、合計30以上(オール3.5程度)は死守したいラインです。国際学科志望なら英語5・他4が望ましく、商業科・スポーツ科も主要5科は4を揃えたいところです。

自分の弱点科目が評定3以下だと合格者平均より低くなってしまうため、2年生までの成績を踏まえて「◯教科をあと1段階上げる」と具体的に目標を定めましょう。

具体的対策法:

  • 定期テスト対策徹底: 内申は定期テストの点数でほぼ決まります。各テスト2週間前から計画的に勉強を始め、学校ワークは繰り返し解きましょう。
  • 提出物・授業態度: 「主体的に学習に取り組む態度」も評価対象です。ワーク・レポート提出は期限厳守で満点を狙います。授業中は発言の機会があれば手を挙げ、ノートもきちんと取りましょう。
  • 苦手科目の底上げ: 苦手1科目の評定が2だと、他がオール4でも合計32にしかなりません。例えば数学が苦手なら、塾や先生に補習を頼るなどして評定3以上を確保しましょう。評定2がついてしまうと挽回は難しいため、学校の先生に「次どこを頑張れば評定上がりますか?」と直接相談するのも手です。
  • 検定取得でアピール: 内申の点数には直接影響しませんが、英検・漢検・数検などを取得すると調査書に記載されます。特に英検準2級以上は国際学科志望者にはアピール材料ですし、漢字が苦手な人も漢検で補強できます。検定取得の努力は内申所見にも「〇級合格」と書かれ評価につながることがあります。

学力検査対策:

5教科バランス学習: 横浜商業の合否判定では5教科の合計点が重視されます。極端な苦手科目があると不利なので、満遍なく底上げしましょう。

過去問演習: 神奈川県入試の過去問は最低3〜5年分は解いておくべきです。早めに着手し、問題傾向を把握した上で弱点補強に繋げます。模擬試験も年2〜3回受け、他の受験生中での自分の位置を確認しましょう。模試結果から志望校判定を見て、足りない科目は重点強化します。模試の解き直しも必ず行い、解けなかった問題をそのままにしないようにしましょう。

時間配分練習: 5教科通しで解く模擬試験形式の練習を何度か行い、本番に近い感覚を身につけてください。休憩時間の過ごし方(軽食を摂る等)も事前に決めておくと良いでしょう。
塾・参考書の活用: 学校の勉強だけで不安な場合は、塾の季節講習や通信教育で補強します。特に国語の記述対策や、理科の計算分野などは専門的な解説で理解が深まることがあります。市販参考書では『神奈川県公立高校入試 分野別予想問題集』などが人気で、苦手分野対策に有用です。

学力検査対策の極意は「早めのスタート・徹底した演習・弱点の克服」に尽きます。横浜商業高校は決して超難関校ではありませんが、ライバルも皆しっかり対策しています。

最後まで気を緩めず、5教科トータルで合格点を勝ち取れるよう戦略的に学習しましょう。

特色検査/自己表現検査 対策:

横浜商業高校で特色検査が課されるのはスポーツマネジメント科(実技)と国際学科(面接)です。それぞれ対策が異なります。

スポーツマネジメント科(実技検査)対策:

  • 出題傾向: 実技種目はソフトボール・卓球・ソフトテニス・バレーボール・バスケットボール・サッカー・基礎運動の7つから事前選択です。当日は選んだ種目で数種類の技能テストが行われます(例:サッカーならリフティング・シュート正確性・50m走タイム等)。

実技検査は配点比率で見ると筆記1教科分以上の重みがあり、ここで高得点を取ると合格がぐっと近づきます。逆に実技が極端に苦手だと他でカバーできず不合格となる可能性があります。スポーツ科志望者にとって実技対策は筆記対策以上に重要です。

国際学科(面接)対策:

  • 出題傾向: 面接は個人面接で、質問内容は事前提出の面接シートに沿ったものです。「志望理由」「中学で頑張ったこと・高校で挑戦したいこと」「自分の長所」などがほぼ確実に聞かれます。また国際学科ということで、「将来の夢(国際分野で何をしたいか)」「好きな英語のことわざは?」など英語やグローバル意識に絡めた質問が出ることもあります。加えて、面接官との簡単な英語でのやり取り(“Why do you want to join Y校’s International Course?”など)が発生する場合も考えられます。

面接は調査書や学力ではわからない人物像を見る場です。配点的には国際学科では調査書・学力に次ぐ扱いですが、合否に影響します。面接で好印象を残せれば多少の点数不足を補える可能性もあるため頑張りましょう。

出典:令和7年度神奈川県公立高等学校入学者選抜選考基準及び特色検査の概要(神奈川県ホームページ)

面接対策: 

(※面接は国際学科のみ実施) 

面接では(1)本校志望の明確な理由があるか、(2)中学での経験や将来の目標をしっかり語れるか、(3)コミュニケーション能力・礼儀は十分か、が主に見られます。また国際学科の場合は(4)英語への興味・適性も感じられるかがポイントです。面接官は生徒の表情・態度から「この子はうちで頑張ってくれそうか?」を総合判断しますので、意欲と誠実さが伝わるようにしましょう。

練習方法:

  • 想定質問と回答準備: 前述のように、定番質問は「志望理由」「頑張ったこと(学業・部活等)」「入学後やりたいこと」「長所・短所」「将来の夢」です。それぞれ自分なりの答えを書き出してみましょう。志望理由は必ず聞かれるので、なぜ商業高校の国際学科なのかを明確に。例えば「将来海外ビジネスに関わりたくて、英語と商業両方学べるY校国際学科を志望しました」など、具体的に述べます。頑張ったことは部活・委員会・検定取得など何でも良いですが、そこから何を学んだかまでセットで答えると好印象です。「長所・短所」も聞かれやすいので、長所は自己PRになるもの(例:積極性・責任感)、短所は今克服に努めているもの(例:せっかちだが計画的に行動するよう心がけている)とポジティブに言いましょう。想定問答集ができたら暗記ではなく自分の言葉で言い換えながら話す練習をします。
  • 面接シート活用: 面接シートに書いた内容は必ず触れられるので、それについて深掘り質問が来る想定で準備します。例えばシートに「英語スピーチコンテストに挑戦した」と書いたなら「どんな内容のスピーチ?成果は?」等聞かれるかもしれません。それらも答えられるようにしておきます。シートは面接官の手元にあるので、書いたことに矛盾しない回答をすることも大事です。
  • 模擬面接: 学校の先生や家族にお願いして模擬面接を実施しましょう。入室から着席、想定質問への応答、退室まで一連の流れを何度か練習します。先生からフィードバックをもらい、「声が小さい」「手遊びしている」など改善点を直します。鏡の前で表情を確認しながら練習するのも有効です。志望校への熱意を込めて、はきはきと答えることを意識しましょう。
  • 英語練習: 国際学科では英語質問がある可能性も考え、簡単な受け答えは用意しておくと安心です。例えば「将来の夢は?」と英語で聞かれたら“I want to be a global businessperson who can connect Japan and other countries.”のように一文で答えられる練習をします。ただ無理に難しい英語を使おうとせず、聞かれたら落ち着いて中学英文で返せば十分です。

面接は緊張しますが、笑顔とハキハキした態度でかなり印象が良くなります。面接官も人間ですので、「一生懸命で感じの良い受験生だな」と思われれば合格にぐっと近づきます。

日頃から友達や先生とコミュニケーションをとり、人前で話す練習を積んでおきましょう

最後に「本日はありがとうございました。よろしくお願いいたします!」と元気よく退室できれば満点です。自信を持って臨んでください。

出典:令和7年度神奈川県公立高等学校入学者選抜選考基準及び特色検査の概要(神奈川県ホームページ)

過去問・模擬試験の効果的な活用法

過去問活用: 前述の通り過去問演習は合格への鍵です。より効果的に活用するためのポイントとしては、年度をさかのぼって解く、オープン模試として使う、問題分析ノート作成などがあります。

模擬試験活用:模擬試験の活用法としては、①判定を参考に戦略修正、②偏差値より弱科目補強、③本番シミュレーションが挙げられます。

特に本番シミュレーションは重要で、模試当日は本番同様の前日過ごし方・朝のルーティンを試してみると本番慣れが期待できます。神奈川全県模試では試験監督の指示やマークミス防止など、本番さながらの経験ができますので、有効に活用してください。

過去問と模試は数をこなすほど力になりますので、計画的に演習を続けてください。

おすすめ併願校パターン 

横浜商業高校を第一志望とする場合、多くの受験生は滑り止めとして私立高校を併願受験します。以下に地域や難易度を考慮した併願校の組み合わせ例を紹介します。

  • パターン①:県内私立中堅校を併願 – 難易度的に近い私立として、横浜高校(アドバンスコース)や横浜創学館高校(文理選抜コース)、横浜清風高校(総合進学コース)などがあります。これらはいずれも偏差値50前後で、横浜商業と同程度またはやや易しめです。特に横浜清風・横浜創学館は毎年多くの公立併願者を受け入れており、併願確約を取れば安心です。
  • パターン②:ビジネス系学科のある私立校 – 商業科志望者なら桐蔭学園高校(情報科学コース)や横浜商科大学高校(商業科)も選択肢です。桐蔭学園情報科学コースは偏差値はやや上ですがICT教育が充実しています。横浜商科大高校は名前の通り商業に強く、指定校推薦が豊富なので、万一公立不合格でも手堅い進路を築けます。
  • パターン③:地域密着校 – 自宅から近い学校を重視するなら、横浜市内の戸塚高校(クリエイティブアーツ科)や横浜総合高校なども検討できます。戸塚クリエイティブアーツ(音楽)は偏差値49で横浜商業商業科と同等、特色ある学科です。横浜総合高校(全日制普通科)は偏差値40台前半と易しいですが、市立校なので校風が似ており併願には向いています。
  • パターン④:高難度私立も視野 – 国際学科志望で学力上位層なら法政大学国際高校鎌倉学園など偏差値60前後の私立を受験する手もあります。ただ併願優遇がない場合負担になるので、一般的にはMARCH附属系早慶附属を狙う人は少ないです。横浜商業第一志望なら、安全校として確実に合格できる中堅校を2校程度押さえるのが現実的です。

公立第一志望の場合、2月中旬の公立入試までは私立合格校に入学金を納めて席をキープし、合否発表後に進路を決定する流れになります。

精神的にも経済的にも私立合格校の存在は安心材料となりますので、的確な併願戦略を立てましょう。

まとめ 

横浜市立横浜商業高等学校(Y校)は、140年を超える伝統の中で培われた「心の誠」の精神のもと、専門教育と人間教育を両立している魅力あふれる学校です。

商業科・国際学科・スポーツマネジメント科というユニークな学科編成により、生徒一人ひとりが得意分野を伸ばしながら実践的な学びを得ることができます。

合格にはこれまで述べてきたように内申点の確保学力検査・特色検査対策の両輪が重要です。本記事の内容を活かし、Y校の合格をぜひ勝ち取ってください。

出典:ホーム(横浜市立横浜商業高等学校)

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この記事を書いた人

ハマジュク編集部は実際に中学受験を経験した人や、全国トップ20(県内トップ3)の学校に進学した人が揃っています。また、塾講師や家庭教師として、県内のトップ校に進学させる実績や、偏差値を30以上上げて志望校へ合格させた経験を持つメンバーで構成されております。受験や講師としての経験も踏まえて、横浜エリアを中心に中学・高校受験に役立つ情報を発信しています。

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