【筑波大学附属駒場高等学校の受験情報完全ガイド】偏差値・進学実績・入試・過去問・評判から受験対策まで解説!

はじめに
筑波大学附属駒場高等学校(筑駒)は、東京都世田谷区にある国立の中高一貫男子校です。
偏差値は全国でもトップクラスの約77を誇り、東京大学への合格者数が毎年トップレベルに達するなど学力水準の高さで知られています。
自由闊達な校風のもと自主性を重んじた教育が行われており、受験生や保護者から注目を集めています。
本記事では、筑波大学附属駒場高等学校の偏差値・進学実績・入試・過去問・評判から受験対策まで徹底的に解説します。
筑波大学附属駒場高等学校ってどんな学校?概要まとめ
基本情報
筑波大学附属駒場高等学校は、1947年に創立された国立の中高一貫男子校で、東京都世田谷区池尻に所在します。
国内で唯一の国立男子中学校・高等学校であり、併設型の一貫校として全員が中学から高校へ進学可能です。設置学科は全日制普通科のみで、3学期制を採用しています。
校風・特色
校風は「自由闊達」で、生徒の自主性を何より重んじる風土が根付いています。学業・学校行事・クラブ活動の3本柱による全人格的な教育方針を掲げ、生徒の多方面での成長を促しています。
校則がほとんどなく制服もないため、生徒は伸び伸びと学校生活を送り、勉学も行事も主体的に取り組みます。たとえば文化祭・体育祭・音楽祭の三大行事は全校生徒が参加し、生徒主体で企画・運営される伝統行事です。
この自由な校風が、高い学習意欲と多彩な才能の発揮につながっています。
部活動
部活動は運動系・文化系ともに種類が豊富で、多くの生徒が各種大会で輝かしい成果を収めています。
学校としても部活動を奨励しており、全国大会での優勝や上位入賞を果たすクラブも多数あります。実際、囲碁部(駒場棋院)は過去に全国制覇を成し遂げたこともあり、文化系クラブの強さが際立っています。
運動部もサッカーや野球など人気競技をはじめ多彩に活動しており、文武両道の校風が体現されています。
制服
筑駒には制服がなく、生徒は毎日私服で通学しています。服装や髪型に関する規則も設けられておらず、生徒の判断に委ねられています。
実際の校則は「ガムを噛むのは禁止」程度しかなく、徹底した自由さが特徴です。
出典:筑駒の校則は「ガムを噛むのは禁止」だけ(プレジデントファミリー)
教育目標・校訓
筑駒の教育目標(校訓)は「自由・闊達の校風のもと、挑戦し、創造し、貢献する生き方をめざす」です。
これは、既成概念にとらわれず自分自身に挑み新たな世界を切り開く「挑戦」、柔軟で意欲的に取り組む「創造」、得たものを社会に役立てる「貢献」を重視するという意味です。
これら3つのキーワードが筑駒の教育理念を象徴しており、生徒の指針となっています。
略称
筑波大学附属駒場高等学校の略称(通称)は「筑駒」(つくこま)です。校名の「筑波」と「駒場」から1文字ずつ取った呼び名で、生徒や保護者にも広く使われています。
アクセス
最寄り駅は京王井の頭線「駒場東大前駅」で、西口から徒歩約7分と通学に便利です。
渋谷に近い世田谷区内の住宅地に位置し、東急田園都市線「池尻大橋駅」からも徒歩約15分でアクセスできます。
また、渋谷駅から東急バス(渋51・渋54系統)に乗り「駒場」バス停で下車すれば徒歩1分と、公共交通機関も充実しています。
筑波大学附属駒場高等学校の偏差値・内申点目安
最新の偏差値
最新の偏差値は約77で、全国でも最高水準の難易度を示しています。
都内高校の偏差値ランキングでも常にトップクラスで、学力水準の高さが際立っています。2025年度の偏差値一覧では東京都内1位・全国2位にランクされました。
出典:筑波大学附属駒場高校(東京都)の偏差値 2025年度最新版(みんなの高校情報)
合格に必要な内申点の目安
筑駒高校の入試では、中学校の内申点(実技4科目)を100点満点に換算し、学科5教科500点と合計600点で選考します。
そのため内申点の比重も大きく、合格者の内申は実技科目が概ねオール4(約80点)以上と高水準です。実技4科目がオール5(100点)とオール4(80点)では20点、オール3(60点)では40点もの差となり、内申が低いと合格には不利になります。
極端な例では実技がすべて「1」だと、合格点に筆記で60点加算しなければならず、事実上合格は困難とされています。
出典:高等学校 入学者選考の概況(筑波大学附属駒場中・高等学校【公式】)
近隣/同レベルの高校との比較
筑波大学附属駒場高等学校(筑駒)は、日本でもトップクラスの難関校で、同じ東京の最難関校と比べても偏差値が際立って高い存在です。
実際、筑駒の偏差値は高校で約77とされ、東京都内および全国でも最高水準に位置しています。
つまり筑駒は近隣や同レベルとされる他校と比較しても突出した実力校だと言えます。
出典:筑波大学附属駒場高校(東京都)の偏差値 2025年度最新版(みんなの高校情報)
筑波大学附属駒場高等学校の入試情報(2025年度版)
募集定員・入試日程
筑駒高校の高校募集定員は一般枠と帰国生枠を合わせても約40名と少なく、入試は毎年2月中旬に1日限りで実施されます。
内部進学で例年約120名が中学から進級するため、高校からの募集人数はごく少人数に抑えられています。実際、令和7年度(2025年)入試でも2月13日(木)に1回限りの学力試験が行われました。
募集定員は非常に少なく、入試日程も年1回の筆記試験に集中している点が特徴です。
出典:高等学校 入学者選考の概況(筑波大学附属駒場中・高等学校【公式】)
選考基準
筑駒高校の選考は学力試験と中学校の調査書(内申点)の合計点で決まり、学力試験の比重が非常に大きい仕組みです。
学力検査は国語・数学・理科・社会・英語の5教科それぞれ100点満点で合計500点分、調査書は100点分として換算され、合計600点満点で合否判定されます。
面接や実技を伴う特色検査などは一切実施されず、筆記試験(5教科)と内申点の合計点のみで総合的に選抜されます。
つまり、筑駒の選考配点は筆記試験500点:調査書100点(5:1)の割合で、事実上筆記の出来が合否を左右するといえます。
出典:【2023年高校入試分析】開成高・筑波大学附属駒場高(SAPIX中学部 | 難関高校を目指す小・中学生のための進学塾)
学力検査
筑駒高校の学力検査は5教科(国数理社英)各100点・試験時間45分で行われ、難易度の高い問題を含む厳しい内容です。
試験時間が比較的短く設定されており、限られた時間内で効率よく解答する力が求められます。特に数学では毎年同じ4つの単元から出題され、45分という短い時間でどの問題に取り組むか判断する力が必要とされています。
記述式の問題が多いのも筑駒の試験の特徴で、英語では小問の半分以上が記述回答になる年もあるなど、思考力・表現力を試す出題傾向です。
こうした難問揃いの筆記試験で確実に得点を重ねることが合格への鍵となります。
調査書(内申点)
筑駒高校の入試では中学校の調査書(内申点)も100点分に換算して合否判定に含められます。
その内訳については実技系4教科(音楽・美術・技術家庭・保健体育)の内申点を換算する方式が採られていることが公表されています。これは主要5教科の学力は当日の筆記試験で評価し、調査書では副教科を含むバランスを見る狙いと考えられます。
特段の加点措置や重点化はなく、基本的には他校の一般的な内申点評価と同様ですが、配点比率から言っても調査書は筆記試験の補足的な評価要素といえます。
面接
筑駒高校の入試では面接試験は課されません。
公式の募集要項にも明記されている通り、選考は筆記の学力検査と調査書の点数のみで行われます。そのため受験生は面接対策をする必要がなく、当日の筆記試験対策に専念すればよいことになります。
面接がない分、筆記試験の得点力と中学校での学習成績がより重要になるということです。
出典:高等学校 入学者選考の概況(筑波大学附属駒場中・高等学校【公式】)
特色検査/自己表現検査など
筑駒高校では、「特色検査」や自己表現に関する特別な試験は行われていません。
国立である筑駒は都立校のような独自の思考力テスト等を課さず、5教科の学力試験のみで受験生を評価しています。実技試験やプレゼンテーションといった要素も一切ないため、
受験対策としては通常の筆記5科目の学力対策に集中すれば十分です。他校で実施されるような特色検査がない分、筑駒の入試はシンプルに学力勝負であり、その結果と調査書の学習成績で総合的に判定されます。
出典:高等学校 入学者選考の概況(筑波大学附属駒場中・高等学校【公式】)
合格ボーダーライン予測
筑駒高校の合格ボーダーライン(最低合格点)は、例年総合点の約6割程度と推定されます。実際、学校発表のデータによれば600点満点中の最低点はおよそ355点前後で推移しており、得点率にすると60%弱となります。
難関校ではありますが、SAPIXなどの分析では「合格者は平均すると1科目あたり60~70点程度を得点している生徒たちが競い合っている」とも報告されており、5科目合計で半分よりやや上の得点が合格の目安と考えられます。
ただし問題の難易度自体が非常に高いため、このラインをクリアするには相応の高度な学力が必要です。
出典:高等学校 入学者選考の概況(筑波大学附属駒場中・高等学校【公式】)
【2023年高校入試分析】開成高・筑波大学附属駒場高(SAPIX中学部 | 難関高校を目指す小・中学生のための進学塾)
倍率の推移
筑駒高校の高校入試における競争倍率は、ここ数年おおむね3倍台で安定しています。
毎年の志願者数・受験者数は大きな増減がなく、募集定員40名に対し合格者は約45名程度を合格させる運用となっているため、実質的な倍率も毎年ほぼ一定です。例えば2025年度入試では募集約40名に対し受験者数約149名、合格者45名程度で倍率は約3.3倍となりました。
このように多少の変動はあるものの、筑駒の倍率は概ね3倍前後で推移しており、安定した応募状況が続いています。
出典:高等学校 入学者選考の概況(筑波大学附属駒場中・高等学校【公式】)
学費
筑駒高校の学費は国立高校のため比較的安価で、公立高校並みの水準となっています。
入学時には入学金として5万6400円が必要で、授業料は年間11万5200円(月額換算で約9600円)です。これら授業料は高等学校等就学支援金制度の対象で、世帯の所得に応じて実質無償になる場合があります。
また、その他に教材費や校外学習費などの預り金、保護者会(駒場会)費、生徒会費などの諸経費がかかります。制服は指定されていないため購入不要ですが、指定の上履きと体育館履きは準備する必要があります。
全体として私立に比べ負担は軽く抑えられています。
出典:入学案内に関するQ&A | 筑波大学附属駒場中・高等学校【公式】
推薦入試・帰国生入試など
筑波大学附属駒場高等学校では、外部生対象の推薦入試は実施していません。
高校からの募集人員は一般生徒枠・海外帰国生徒枠を合わせて約40名で、全員が学力試験によって選抜されます。試験科目は国語・数学・英語・理科・社会の5教科(各100点満点)で、例年2月中旬に1日で実施され、面接や実技試験は課されません。
出願は12月中旬~1月上旬にオンラインで行い、その後、写真票や調査書などの必要書類を郵送提出します。入学検定料は9,800円で、合格発表は2月中旬に学校ホームページ上で行われます。海外帰国生徒枠の入試も同日程・同一内容で実施され、学力検査の得点のみで合否判定されます。
過去問の入手方法と活用法
筑駒の過去問は、声の教育社などから発売されている問題集(「◯年間スーパー過去問」シリーズ)でまとめて入手できます。
また、筑駒では直近年度の入試問題を文化祭や学校説明会で事務室にて無料配布しており、本番と同じ体裁の問題冊子を手に入れることも可能です。過去問演習は筑駒の出題傾向や難易度を把握し、時間配分に慣れるために最適で、独自傾向の強い筑駒入試対策には欠かせません。
市販の過去問集を繰り返し解くだけでなく、一度は学校配布の実物大冊子を用いて本番さながらに演習してみることが推奨されています。
筑波大学附属駒場高等学校の進学実績
大学合格状況
筑駒は日本屈指の進学校で、卒業生のほぼ全員が難関四年制大学へ進学します。中でも東京大学への合格者数が際立っており、例年卒業生の4~5割が現役で東大に合格すると言われます。
2025年度卒業生では東京大学合格者が延べ117名(うち現役92名)にのぼり、他にも京都大学や一橋大学、東京工業大学など主要国公立大学や、早稲田・慶應義塾大学など難関私立大学への合格者を多数輩出しています。
医学部医学科への合格実績も毎年数十名規模に上り、特に東京大学理科三類(医学部)への進学者数は全国トップクラスです。総じて卒業生の進路は最難関国公立大学に集中する傾向が顕著です。
出典:進路指導・進学状況(筑波大学附属駒場中・高等学校【公式】)
国公立大学 合格実績
国公立大学では東京大学に次いで、京都大学や一橋大学、東京工業大学(※2024年に東京科学大学へ改称)への合格者が目立ちます。
京都大学には2025年度に5名、2024年度に4名が合格しており、一橋大学も例年数名(2025年度4名、2024年度3名)の合格者を輩出しています。また東京工業大学(東京科学大学)には2025年度に6名の合格者がありました。その他、東北大学・大阪大学・名古屋大学など旧帝大や主要国公立大学にも毎年若干名の合格者を出していますが、その人数は各校とも数名程度に留まります。
全体として筑駒生は国公立志向が強く、2025年度卒業生における国公立大学合格者総数は延べ148名に達しました
出典:進路指導・進学状況(筑波大学附属駒場中・高等学校【公式】)
私立大学 合格実績
私立大学では早稲田大学と慶應義塾大学への合格者数が突出して多く、2025年度は早稲田に100名・慶應に75名の合格者を輩出しました。上智大学も毎年10~20名前後の合格者を出しており、2025年度は15名が合格しています。いわゆるGMARCH(明治・青学・立教・中央・法政)各大学への合格者数は各校おおむね数~十数名程度で、2025年度の実績を見ると明治大学14名、東京理科大学31名、中央大学7名などとなっています。
もっとも筑駒生の多くは国公立大学への進学を志向しており、私立大合格者の大半は最終的に国公立大へ進学先を選択するため、私立大学に進学する生徒は多くありません。
出典:進路指導・進学状況(筑波大学附属駒場中・高等学校【公式】)
医学部医学科 合格実績
筑駒は医学部の合格実績も非常に優れています。
毎年国公立・私立合わせて数十名規模の医学部医学科合格者を輩出しており、2025年度は東京大学理科三類(医学部)に15名が合格しました。その他の国公立大学医学部合格者数は2025年度30名、私立大学医学部合格者数は48名にのぼっています。東京大以外では、防衛医科大学校や慶應義塾大学医学部など難関医学部への進学実績もあり、医学部志望者に対しても屈指の合格実績を誇ります。
出典:進路指導・進学状況(筑波大学附属駒場中・高等学校【公式】)
現役進学率・浪人率
筑駒の卒業生の現役大学進学率はおおむね6~7割程度です。
例えば2024年卒業生では、約160名中106名が現役で大学に進学しており、現役進学率は約66%でした。
裏を返せば毎年3割強の生徒が浪人(再受験)を選択していることになり、特に東京大学など志望難易度の高い大学へのこだわりが強い生徒ほど、目標に届かなかった場合に浪人して再挑戦するケースが少なくありません。もっとも、筑駒生はいずれも学力水準が非常に高いため、浪人した場合でも翌年には難関大学に合格を果たす生徒が大半であるとみられます。
なお、大学別の現役進学者数を見ると、卒業生全体の約8割が国公立大学に進学しており、私立大学への現役進学は2割弱にとどまります。
出典:進路指導・進学状況(筑波大学附属駒場中・高等学校【公式】)
指定校推薦枠
筑駒の大学指定校推薦枠に関する情報は公表されていません。
実際には一部の難関私大などから指定校推薦の打診がある可能性もありますが、筑駒生は基本的に一般入試での現役合格を目指すため、指定校推薦で進学する例はほとんどないと考えられます。
また筑駒は筑波大学の附属校であり、筑波大学への推薦入学制度(附属校推薦枠)も設けられていますが、実際に筑波大学に進学する生徒はごく少数にとどまっています。
筑波大学附属駒場高等学校の評判・口コミ
良い評判・口コミ
筑駒の評判は総じて非常に良好です。最大の特徴は「自由闊達」な校風で、生徒の自主性が尊重されており、好きなことにとことん没頭できる環境が整っていると評価されています。
また、教師も生徒を信頼しきっており、教科書にとらわれない工夫を凝らした授業で生徒の興味関心を引き出してくれるとの声があります。
実際、各分野で卓越した才能を持つ生徒が多く在籍し、生徒同士が互いに刺激し合うことで自然に学習意欲が高まる雰囲気があります。文化祭や体育祭などの学校行事も生徒主体で運営され、個性豊かな生徒・教師に囲まれて送る学校生活は「毎年新たな発見があり飽きない」「生涯の宝物になる」といった口コミも見られます。
出典:筑波大学附属駒場高校(東京都)の評判(みんなの高校情報)
塾の必要性など客観的な視点
自主性が尊重される筑駒では、学校側から受験勉強を過度に管理・強制することがなく、いわゆる「面倒見」は良くも悪くも最小限です。
そのため、自ら計画を立てて学習できる生徒にとっては理想的な環境ですが、自主勉強の習慣が身についていない場合は塾や家庭教師に頼る必要が出てくる可能性もあります。もっとも、筑駒生の多くは中学受験を勝ち抜いた高い学力と向上心を持ち合わせており、実際には高校進学後も塾に通わず学校の学習のみで難関大学に合格する生徒も少なくありません。
現役筑駒生の声としても「学校の授業はオリジナル教材が多く塾では補えない」「塾に通うと課題が多く時間的融通が利かないので部活との両立が難しい」といった意見があり、塾に頼らずとも学校生活と自主学習で十分対応できるという客観的な指摘があります。
出典:筑波大学附属駒場高校(東京都)の評判(みんなの高校情報)
卒業生の声
筑駒の卒業生は、校則にほとんど縛られない自由な校風と、自分の好きなことに打ち込む仲間たちに囲まれた学校生活を送ったと振り返っています。
制服はなく規則は「ガム禁止」程度で、宿題や定期テストも少ないため、生徒それぞれが一芸に磨きをかけやすい環境です。
実際、在校中に国際オリンピックで活躍する同級生もおり、先生の協力で新しい部活動を立ち上げることも可能でした。
こうした自主性を尊重する校風が、生徒の個性と才能を伸ばしているのです。
出典:筑駒の校則は「ガムを噛むのは禁止」だけ(プレジデントファミリー)
筑波大学附属駒場高等学校の受験対策と勉強法
筑駒に合格するためには、中学3年間の学習成果を総動員した徹底的な受験対策と日々の効率的な勉強法が求められます。
全国トップレベルの難関校である筑駒は、生徒募集数が少なく(例年約40名)、学力試験の難易度が非常に高いうえ、内申点(調査書)の比重も大きいためです。
以下では、年間の学習計画の立て方から科目別の対策ポイント、内申点や面接への備えまで、筑駒高合格に向けた具体的な勉強法を解説します。
合格に向けた年間学習計画の立て方
筑駒合格には年間を通した長期的な学習計画が欠かせません。
多くの合格者が夏休みを学力向上の転機と位置付けており、夏に勉強量を大幅に増やし合格に繋げたと語る先輩も多いです。実際、中3の夏に毎日8時間以上の学習を続けた結果、秋以降の模擬試験判定が50%未満から80%に上昇した例もあります。夏までに自分の弱点を洗い出し計画的に克服することが重要です。
また、時間を区切って計画的に学習するなど、効率を意識した勉強法も有効です。
出典:開成高・筑駒高に合格した先輩の夏の過ごし方&教科別アドバイス(SAPIX中学部 | 難関高校を目指す小・中学生のための進学塾)
内申点対策: 重要性と目標設定、具体的な対策法
筑駒入試では調査書(内申点)も合否を左右する重要な要素です。
配点は100点(満点600点中)と高く、当日の試験だけで挽回することは容易ではありません。そのため、学校の定期テストや提出物などで安定して高評価を得て、主要科目はオール5に近い成績を目標にしましょう。
一般入試では学力検査と調査書のみで評価されるため、授業態度や日頃の学習習慣を含め学校生活全体で手を抜かないことが肝心です。
学力検査対策
筑駒高入試では毎年約40名ほどしか合格者が出ず、合格最低点は満点の約6割という超難関です。暗記中心では太刀打ちできない思考力重視の出題が多いため、対策が必要です。
英語は一度きりのリスニングや自由英作文も出題され、総合的な語学力が必要です。数学・理科は応用問題が難しく、基礎固めと難問対策が欠かせません。国語は要約力、社会では時事を含む知識も問われます。
特色検査/自己表現検査 対策:
筑駒高校の入試では、特色検査や自己表現に関わる特別な試験は課されていません。そのため、学力検査への対策に集中して取り組めば問題ありません。
面接対策:
筑駒高校の入試では面接試験も実施されていません。そのため、面接の対策は不要です。
過去問・模擬試験の効果的な活用法
筑駒高対策では過去問の徹底活用が合格への鍵となります。
特に筑駒は各教科とも過去問演習が他校以上に効果的だとされ、少なくとも直近10年分を何度も解き直して出題傾向を把握しましょう。過去問演習は入試本番と同じ時間設定で行い、解きっぱなしにせず解説まで含めて復習することが重要です。
また、模擬試験を積極的に受験して現時点での弱点を洗い出し、志望者集団での立ち位置を確認することで、効率的に学習計画を修正できます。
おすすめ併願校パターン
筑駒を目指す受験生は、同レベルの難関校を併願するケースが多いです。
東京では開成高校、神奈川では聖光学院、千葉では渋谷教育学園幕張高校など、地域の最難関校との併願が定番です。また、早稲田大学系属の早稲田本庄や慶應義塾志木高校など難関大学附属校を併願先に選ぶ例もあります。さらに、内申点を活かして都立日比谷高校や都立西高校など公立トップ校を併願する受験生もいます。
まとめ
筑駒高校は自由度の高い校風と最先端の教育環境に恵まれ、多くの卒業生が東京大学をはじめ難関大学へ進学する魅力的な学校です。
合格までの道のりは険しいですが、本記事で紹介した計画的な学習法と対策を地道に積み重ねていけば、筑駒への扉は必ず開くでしょう。