【中学受験】塾にかかる費用はいくら?内訳や相場を解説!
難関校を目指す場合、遅くとも新小学4年生から塾に通うのが一般的です。塾の費用は授業料だけでなく、入会金(入塾金)、夏期講習などの季節講習費、模試代、テキスト代などもかかります。相場を知って資金計画を立てておきましょう。
本記事では、中学受験塾にかかる費用や、塾以外に必要な費用などをご紹介します。また、中学受験や塾の費用を抑える方法もあわせてお伝えするので、ぜひ参考にしてください。
一般的な中学受験塾にかかる費用相場
中学受験のために塾に通うとなると高額な費用がかかります。一般的には小4の直前から小6まで3年間通い、学年が上がるごとに塾の費用も上がる場合がほとんどです。
中学受験塾にかかる費用相場を確認しておきましょう。
中学受験の受験料
東京都の「令和5年度 都内私立中学校の学費の状況」によると、私立中学校の受験料は平均2万3,897円です。首都模試センターの調査によると1人あたりの平均出願校数は6.83校なので、受験料だけでも14万〜17万円ほどかかります。
また、入学金や授業料、施設費などを含めた初年度納付金の平均は98万9,125円です。初年度納付金が高い学校は約190万円、安い学校は約55万円で、学校によって大きく幅があります。
中学受験塾に3年間通う場合は約200万円~300万円が必要
中学受験を目指すお子さんの多くは、効率的に受験対策を行うため、中学受験塾に通っています。進学塾の中学受験カリキュラムは小学3年生の2月から始まるのが一般的なので、小学4年生になる直前から6年生まで約3年間通うことになり、費用は約200万〜300万必要です。
塾の費用には毎月の授業料だけでなく、春期講習や夏期講習などの季節講習費、定期的な模試の費用なども含まれます。ただし、塾によって費用はさまざまです。また、塾に通い始める時期によっても総額は変わります。
詳しくは塾の体験授業に参加して、希望するコースの費用総額を確認しておきましょう。
中学受験塾以外に必要な費用内訳
中学受験には、さまざまな費用がかかります。お子さんの中学受験を検討する際は、塾だけでなく塾以外にかかる費用も確認しておきましょう。
中学受験塾以外の主な費用の内訳をお伝えします。
受験料
私立中学の受験料は学校によって金額が異なります。令和2年度の平均は2万3,897円で、相場は2〜3万円です。受験する学校が多ければ、それだけ多額の受験料が必要です。
たとえば受験料が2万5,000円で6校受験した場合、受験料だけで15万円かかります。
教育費
中学受験塾に通うと勉強量が増えるため、シャープペンシルや消しゴム、ノートなど文房具の費用がかかります。塾のテキスト以外に自宅学習用の参考書なども購入すれば費用が高額になることもあるでしょう。
教育費のメインは塾の費用ですが、それ以外にもさまざまな費用がかかります。
通信費
最近はタブレットを利用した学習も増えてきました。タブレットを使用して学習する場合は通信費もかかります。
ただし、塾でタブレットを使用する場合はタブレット代が塾の費用に含まれていることもあります。動画を見ながら勉強する場合は、大容量のデータ通信が必要です。Wi-Fi環境を整えたり、格安SIMを利用したりして、通信費を節約しましょう。
交通費
徒歩や自転車で通えないほど遠方の塾に通う場合は、電車代やバス代が必要です。保護者の方が送迎する場合はガソリン代がかかります。塾の費用を比較するときは、交通費も計算に入れておきましょう。
また、受験当日は受験校までの交通費が必要です。試験会場まで遠い場合は、会場近くのホテルに前泊するケースもあります。
その場合は宿泊費がかかりますが、受験校から徒歩圏内のホテルであれば交通機関の遅延の心配がないなどのメリットがあるため、利用する受験生も増えています。
その他費用
小学生は食べ盛りなので、学校から帰って何も食べずに塾に行くと、空腹で勉強に集中できないかもしれません。
塾の前におにぎりやサンドイッチなど軽食を食べていくお子さんもいれば、お弁当を持っていくお子さんもいます。塾に通うために軽食が必要になるため食費が増えるでしょう。
また、中学受験には筆記だけでなく面接がある学校が多いため、フォーマルな服も必要です。保護者面接がある場合は、保護者の方も面接にふさわしい服装を用意しておく必要があります。
中学受験に合格したあとは入学金の納入が必要です。令和5年度の入学金の平均は26万3,020円です。
入学金には納入期限があるため、第一志望の合格発表前に入試日が早い学校の入学金の納入期限がきてしまうことがあります。複数校に合格すれば多額の入学金が必要です。
中学受験や塾の費用を抑えるポイント
私立中学に入学すると学区内の公立中学に進学した場合に比べて高額な授業料や設備費がかかります。入学後の費用を考えたら、中学受験塾の費用は少しでも抑えたいと考える保護者の方も多いでしょう。ここからは、中学受験や塾の費用を抑えるポイントをご紹介します。
塾の奨学生制度や紹介制度を利用する
奨学生制度や紹介制度を設けている塾を利用して、塾の費用を抑える方法があります。すべての塾でこのような制度があるわけではないため、入塾を決める前に確認しておきましょう。
例えば、臨海セミナーは奨学生制度を設けています。奨学生基準は以下の通りです。
- 内申点9科目合計42以上or模擬試験偏差値64以上で毎月の授業料から1万円免除
- 内申点9科目合計45or模擬試験偏差値67以上で、毎月の授業料から2万円免除
保護者の方への感謝の気持ちから恩返ししたくなり、学習へのモチベーションになっていくため、多くの臨海生が奨学生を目指して成績アップや模試偏差値向上に取り組んでいます。
加えて友人・兄弟の紹介制度もあります。一緒に頑張る友人・兄弟の存在は、入塾後の学習意欲を持続させ、成績向上や志望校合格にも影響してくるからです。ともに競い合い、成長しあえる環境を整えることが学力向上の秘訣でもあります。
併願校を絞って受験する
合格できるように多くの学校に願書を出すケースもありますが、併願校を増やすとそれだけ受験料がかさみます。
併願校が多すぎると入試のスケジュールがハードになり、お子さんが実力を発揮できないかもしれません。塾と相談して、併願校を適度に絞りましょう。
複数回受験の優遇措置を受ける
受験日を複数回設定している学校では、同じ人が複数回受験可能です。そのような学校の中には、複数回出願した場合に受験料の割引を受けられる学校もあります。受験を検討している学校に割引があれば、複数回受験しやすいでしょう。
なお、複数回受験の優遇措置は受験料だけではありません。
- 2回目以降の受験には加点による優遇措置
- 各教科のもっとも高い点数で判定
- 合格のボーダーラインに近い点数の場合、複数回受験した受験生を優遇
- 追加・繰り上げ合格で優先
複数回受験の優遇措置は学校によって有無や内容が異なります。あらかじめ確認しておきましょう。
中学受験塾に通う必要はある?
「中学受験塾に通う必要があるのか?」「塾なしで合格できないのか?」と考えている保護者の方もいらっしゃるのではないでしょうか。塾なしで中学受験塾に合格するお子さんもいるので、必ずしも塾に通わなくては合格できないわけではありません。
ただし、入試から逆算して勉強のスケジュールを立てたり、中学受験の情報を自力で入手する必要があるため、保護者の方の負担がかなり大きくなるでしょう。
塾に通うことにはさまざまなメリットがあり、合格できる可能性が高まります。ここからは中学受験塾に通うメリットとデメリットをご紹介します。
中学受験塾に通うメリット
中学受験塾に通うと主に次のメリットがあります。
- 中学受験に必要なカリキュラムが組まれている
- 受験勉強のモチベーションを維持しやすい
- 中学受験の情報を得やすい
- 志望校に合格するための情報が豊富
中学受験塾では、中学受験に必要な勉強のカリキュラムが組まれているため、自分でスケジュールを組んで勉強するよりスムーズに受験対策できます。とくに難関校の入試では、学校で習わない内容や応用問題が出題されるため、中学受験塾に通ったほうが合格できる可能性が高まるでしょう。
また、塾には同じように私立中学への合格を目指している生徒がいるため、刺激になります。1人で勉強するよりもモチベーションを維持しやすいでしょう。
中学受験の情報や、志望校に合格するための情報が豊富な点も中学受験塾に通う大きなメリットです。塾に通わなければ、保護者の方が自分で情報を集めなくてはいけません。
志望校への合格実績が高い塾は、その中学校に合格するためのノウハウを持っているため、合格できる可能性が高まるでしょう。
中学受験塾に通うデメリット
中学受験塾に通うことにはデメリットもあるので確認しておきましょう。
- 費用がかかる
- 移動時間がかかる
- 自分のペースで勉強できない
中学受験塾は学年が上がるごとに費用が上がっていきます。小学6年生の1年間で100万円以上かかることも珍しくありません。小4から小6まで3年間通う場合、トータルで200万円〜300万円が必要です。経済的に大きな負担となることが中学受験塾に通うデメリットです。
また、中学受験対策ができる塾が自宅の近くにない場合、電車やバスを利用して通うことになるため、移動時間がかかります。帰宅が夜遅くなる場合は、保護者の送迎が必要になるかもしれません。
塾はカリキュラムに沿って授業を行うため、苦手科目を集中的に勉強したい人にとっては、自分のペースで勉強できないこともデメリットになります。
まとめ
本記事では、中学受験塾にかかる費用や、塾以外に必要な費用などを紹介しました。
受験費用も含め、年間でどのくらいお金が必要なのかをあらかじめシミュレーションをしたうえで、受験対策ができると良いですね。