【神奈川県公立情報】二俣川看護福祉高校の看護科が廃止され普通科が設置されます
神奈川県教育委員会は3月22日、教育委員会会議にて令和7年度学科改編対象校の設置計画が議題に上がりました。
かねてから案が上がっていた、二俣川看護福祉高校の看護科を普通科に改編する内容です。
これにより、神奈川県内から公立・私立合わせて看護高校がなくなります。
二俣川看護福祉高校普通科の基本コンセプト
まずは二俣川看護福祉高校普通科の基本コンセプトから確認します。
- 学年制による全日制普通科及び福祉科を併置した県立高校としての教育を展開する。
- 基礎学力の向上をめざす教育活動の展開
共通教科・科目を中心とした教育活動を編成し、生徒一人ひとりの学習の充実と進路実現に向け、基本的な知識・技能の習得と主体的・対話的で深い学びにより、課題を発見し解決するための思考力・判断力・表現力等の育成を図る。 - 特色ある教育課程の編成
福祉科併置校として学科間連携の特色をいかし、学科相互の関連を図る学習や、これまで培ってきた看護・医療・保健等分野に係る学習や外部機関と連携する学習などをいかした教育課程を編成する。 - 看護・医療・保健等の分野への進路意識を高める教育の実施
看護・医療・保健等、多様な神奈川のヒューマンサービスを担う人材を育成する上級学校への進路意識を高める教育を実施する。また、キャリアガイダンスの充実を図るとともに、総合的な探究の時間等において探究的な学習活動を行い、生徒一人ひとりに応じた進路実現を図る
普通科の授業内容だけでなく、看護・医療・保健分野にまたがった学習をするコンセプトを持つことがわかります。
二俣川看護福祉高校普通科の設置形態
二俣川看護福祉高校普通科の設置形態についても見ていきます。
- 課程:全日制の課程
- 学科:普通科(看護科を廃止、福祉科は継続)
- 学校規模:全日制の課程 480 名
普通科360名(各学年120名、3学級規模程度)
福祉科120名(各学年40名、1学級規模程度)
※ 学級規模は予定であり、入学定員の発表時に確定 - 修業年限:3年
- 学期:2学期制
- 履修形態:共通教科の科目を中心とした必履修科目及び選択科目による履修
- 授業展開:50分6限を基本とし、必要に応じて弾力的な授業時間を設定(時間割は以下参照)
あくまで廃止されるのは看護科で、福祉科は残ります。
6校時時程(週5日) | |
朝学習 | 8:40~8:50 |
ショートホームルーム | 8:50~8:55 |
1校時 | 9:00~9:50 |
2校時 | 10:00~10:50 |
3校時 | 11:00~11:50 |
4校時 | 12:00~12:50 |
昼休み | 12:50~13:35 |
5校時 | 13:35~14:25 |
6校時 | 14:35~15:25 |
ショートホームルーム | 15:25~15:35 |
清掃 | 15:35~15:45 |
二俣川看護福祉高校普通科の教育方針
教育方針は二俣川看護福祉高校普通科の特色が出た内容を抜粋しています。
- 基礎学力の定着と向上をめざし、共通教科・科目を中心として生徒一人ひとりの興味・関心に基づく学びを通して発展的な学習を行い、あわせて看護・医療・保健等に係る専門科目等を含めた選択科目を置くなど系統的な科目を構成し、学びの充実を図る。
- 看護・医療・保健等分野への進路を中心に生徒の多様なニーズに応じた進路実現に向けて、上級学校への進学をはじめとした進路希望の実現をめざすカリキュラムを編成する。
- 外部機関と連携した総合的な探究の時間や選択科目、短期集中講座等において、これまでに培ってきた看護・医療・保健等分野の専門教育を行い、「看護の心・福祉の心・奉仕の心」を育む学びと実践的・体験的な学習活動の機会を充実させる。
- 入学後の学力や進路希望など、生徒一人ひとりの状況を把握するとともに、上級学校での高度な学びに対応できるよう、観点別学習状況の評価や指導と評価の一体化を充実させ、ICTの利活用や個別最適な学びの実現に向けた授業実践に取り組む。
- 総合的な探究の時間では、「看護・医療・保健分野等多様な分野に係るテーマ」での探究的な学習活動を実践する。自ら学びに向かう姿勢を育み、協働的な学びの機会を充実させ、思考力・判断力・表現力等の育成を図る。
- 学科間の連携を図りながら、福祉科併置校としての特色をいかし、共通教科・科目を中心に看護・医療・保健等に係る専門科目等を、学年進行にあわせて学ぶことができるよう、教育課程を編成する。
これらの内容からわかるように、看護科で培った外部との結びつきや、教育のノウハウを活用し、「看護の心・福祉の心・奉仕の心」を育む学びと実践的・体験的な学習活動の機会を充実させる方針です。
教育課程の選択科目からもこの内容が見て取れます。
二俣川看護福祉高校普通科独自の教育科目
※〇囲いの数字は単位数を表します。
※黄色マーカー部が二俣川看護福祉高校普通科独自の教育科目です。
科目の詳細内容は別途説明も載せています。
◇2学年必修選択α(4単位)
古典探究④、化学④、生物④、音楽Ⅱ②、美術Ⅱ②、[看]基礎看護④、
[福]社会福祉基礎②
◇3学年必修選択β(2単位)
文学国語②、数学Ⅱ②、医療理科(理)②、論理・表現Ⅰ②
◇3学年自由選択科目(4~8単位)
文学国語②、古典探究④、政治・経済②、数学Ⅲ④、物理④、化学②、
生物②、音楽Ⅰ②、美術Ⅰ②、英語コミュニケーションⅡ②、情報Ⅰ②、
[看]基礎看護④、看護総合(看)②、地域支援学習(看)②、
[福]社会福祉基礎②、[音]演奏研究②
※自由選択科目から4~8単位を選択履修する。
独自科目の詳細
基礎看護(4単位)
日常生活の援助及び診療に伴う援助における看護に関する基礎的な知識と技術を学ぶとともに、保健・医療における看護の役割についても理解を深め、看護の実践の基盤となる資質・能力を育成する。
社会福祉基礎(2単位)
社会福祉の理念や歴史、児童家庭福祉、高齢者福祉、障害者福祉、社会保障制度などを学び、福祉を支えるために必要な基礎的な資質・能力を育成する。
医療理科(2単位)
主に看護・医療・保健等分野に係る化学・生物分野の基礎から発展的な内容を横断的に学習する。理科の見方・考え方を働かせ、探究的な学習活動を中心に、自ら学び判断することができる資質・能力を育成する。
看護総合(2単位)
看護について幅広い分野から学習し、それを土台として探究的な学習活動を行い、看護の役割や機能を多面的に捉え、様々な発達段階・健康状態にある対象者の健康の保持増進に寄与する職業人としての必要な資質・能力を育成する。
地域支援学習 (2単位)
地域との連携を図り、地域医療や地域における未病改善などの多様な保健活動及び地域の健康支援に携わる看護師をはじめとする多職種の役割や活動、その連携の在り方などについて学ぶ。これらを通して、地域で生活する人々を支えるための方法を看護の視点から考え、課題解決に向けて主体的・協働的に地域や社会に貢献できる資質・能力を育成する。
まとめ
本記事では、神奈川県の公立高校である二俣川看護福祉高校が普通科になる案について解説しました。
看護科が廃止されて普通科が設置されることになりますが、看護科で築いた教育ノウハウや外部との関係性をフルに活用した教育内容であることがわかります。
少子高齢化の世の中であることから今後も需要がある分野です。興味を持っていただいた方はぜひ一度学校説明会に行ってみてはいかがでしょうか。
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